[2012.1.14] -[インフォメーション]
土地開発公社から20億円で買い取った翌年に
7億円で売り払いの予定~西郷通の土地
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1月11日の全議員説明会での出来事です。議員からの質問で明らかにされた、びっくりするようなことがありました。
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現在土地開発公社が所有している土地がいくつかあります。土地開発公社の解散に向けて、「公社健全化計画」を策定し国の支援施策である第3セクター債という借金を活用して計画的に土地の買い戻しを行っています。
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現在、西郷通にある土地は社会教育施設用地として開発公社に先行取得させています。無償でスポーツ団体に貸与していますが、この土地を平成24年度に土地開発公社から守口市が買い戻します。土地の取得価格にこれまでの金利を上乗せして、約20億3千万円です。もちろんそんな現金は用意できませんから起債という名の借金をします。
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借金して20億3千万円で買い戻しをした土地を翌年の平成25年度に売却するというのが「もりぐち改革ビジョン(案)」で計画されています。売却金額は約7億円です。20億円も借金して購入する土地を7億円で売却すると言うのです。
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「損害が出ますが、市全体の入りと出という考え方にしますと、損切りと言ったらまずいけれど、民間で利用してもらったら税が入ってくる」と理事者側は強弁しました。
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20億円銀行から借金して土地を買います。7億円で売れましたと、喜んでばかりはいられません。銀行は土地がなくなれば貸し付けた20億円を一括して返済していただきたいと請求します(これを繰り上げ償還と言います)。20億円から7億円差し引いた残りの13億円はどうするのでしょう。民間が活用すればたちどころに13億円の税金が入ってくるのでしょうか。
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誰が考えてもわかります。13億円を何とか工面して、土地売却代金7億円と合わせて銀行に返済しなくてはなりません。簡単に言えば、13億円の新たな借金が増えるということです。守口市の「財政再建」どころか、財政破たん計画です。
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西端市長はこんな簡単な計算もわからないのでしょうか。
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「もりぐち改革ビジョン(案)」の、改革の工程と目標効果額のページには、売却金額だけを「効果額」として「収入が増えますよ」と説明しています。
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借金と借金返済には一言も触れられていません。これは、言い逃れのできない「だまし」です。
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議会が指摘して初めて明らかになったことです。某団体の発行する「守口改革NewS」には「こんな議会に守口を任せていてはいけません」と述べられていますが、「こんな議会」の指摘がなければ、市長の手による市民だましの計画が市民に知らされないまま、推進されていく可能性があるのです。正確な情報が市民の手に届かないことがどれほど恐ろしいことか!
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議会は市長部局のチェック機構です。市長の横暴や、誤りを正す責任があります。また、正確な情報を市民にお知らせする責任もあります。議員の議会活動は議会開会中だけではありません。多くの議員は、日々研鑽をつみ、日々市役所内部の動きをチェックし、市民要求を実現するために毎日活動しています。
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「改革」と称しても一つ一つの施策は玉石混交です。本当に市民の為になるのかどうかの検証が必要です。市長部局だけでなく、市民の目線や、専門家の目線など多くの角度からの検証を行うために議会が存在しています。
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1月11日の全議員説明会では「もりぐち改革ビジョン(案)」について、多くの議員からの意見や質問、疑問や指摘がありました。西端市長がそれらをどのように取り入れるのか、それとも市長の権限で強行するのか、その去就が問われています。