こんにちは。守口市会議員団です。
[2009.2.23] -[新守口]
公的年金から住民税を天引きする地方税法の「改正」により、守口市の市税条例の「改正」が9月議会に提案されました。
地方税法の「改正」による市税条例の「改正」ですから、守口市議会の慣例により提案された最初の本会議で委員会付託を省略し、直ちに本会議で採決が行われるのが通常の方法でした。ところが、審議するために調査を進めていく中で、守口市とオンラインでデーターのやり取りをする相手側が、年金データーを所有する社会保険庁ではなく、経由期間である財団法人地方税電子化協議会という公益法人であることが判明し、守口市個人情報保護条例で定めている個人情報保護審査会の意見を聴かなければならないのではないかとの疑問が出てきました。
そこで議長、副議長が市当局の担当者にその疑問をただすなかで、慎重を期すためには「審査会」を開き、意見を聴く必要があることが明らかになりました。また、担当者が大阪府に意見を求めたところ、「審査会」を開いて意見を聴くことが必要との回答を得ました。
守口市議会は議会運営委員会で、総務・市民常任委員会に付託し、より丁寧に議案審査を行う必要があると決定しました。
10月1日、総務・市民常任委員会が開催され、公的年金から住民税を天引きするための条例案、同補正予算案が審議されました。
日本共産党からは、大藤、真崎両議員が審議しました。
所得税と違って、地方自治体が税額を決定する、いわゆる賦課方式をとってる住民税は、税額を行政処分として住民に負担を課すものですから、税額を納税義務者に通知(税額決定通知)しなければなりませんが、条例審議のなかで、担当部局は「そのことが実際に行われるかどうか、よく分からない」と、答弁しました。経由期間である財団法人地方税電子化協議会を通じて公的年金からの天引きが行われますから、天引きする以前に通知できるかどうか分からないというものです。これでは、賦課方式の制度そのものの根本が揺らいでしまいます。
また、住民税は年度途中でも、減免、軽減の制度がありますが、年金からの天引きでは、申請と同時に減免・軽減が行われるのかという質問にも、担当部局は「すぐにできる。」という答弁と、「年金天引きの制度上、すぐにはできない。」という答弁が行われたり、混乱しました。さらには、地方税法では、公的年金からは、公的年金にかかる所得分の住民税とし、年金以外の所得がある住民は、合わせて公的年金から天引きすることができるとしていますが、年金分だけにするのか、年金以外の分も合わせて天引きするのかは、地方自治体の条例で決めるようにと、任意規定になっています。
守口市の市税条例案では、合わせて天引きすると規定されていました。そこで、本当に公的年金から合わせて天引きできるのかとの質問には、担当部局は「経由期間のシステムがそのようにはできておらず、公的年金にかかる所得分しか天引きできない」との答弁を行いました。実際にできないことを条例で決めるのはおかしいと、議会は空転しました。
西口市長は、提案していた市税条例案を修正し、「合わせて天引きすることができる」と、地方税法と同じ任意規定にしました。このように修正したことにより、年金から天引きをするたび、年金所得にかかる分だけの税金を天引きするという市長の意思決定が必要になります(行政用語では起案処理を行うことが必要になります)。
市当局の責任で混乱した委員会の委員長報告では「本条例審査において事務的な内容等の質問であるにもかかわらず答弁が得られず委員会が休憩となり審査に支障をきたし不要な時間を費やす結果となったことはまことに遺憾であり今後このようなことがないように、理事者には特段の意を配されたい」と、市当局にに厳しく注意を促しました。
また、10月3日の最終本会議での議長の閉会の挨拶でも「今期定例会において、議会に対する理事者の対応が誠に不十分かつ不適切であったところから議会運営に大きな混乱をもたらしたことは、誠に遺憾であります。議長として今後このようなことがないよう改めて強く申し添えるものです。」
と、理事者の不十分、不適切な対応を厳しく叱責しました。