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  • こんにちは。守口市会議員団です。

    建物の無償譲渡は現状のままで、建替え新築は移管先が行う慣例を破り 高額な費用で新築し無償譲渡の南寺方集会所、漂う行政の不公平感

    [2022.8.22] -[新守口議会報告]

     守口市の令和4年度予算が賛成多数で可決しましたが、日本共産党は杉本議員の反対討論の中でいくつかの問題点を指摘しました。3つ目は、行政の不公平と私物化の疑いについてです。
     地域の自治会や町会が所有する「地域集会所」があります。その多くは一定の広さの公園等の守口市の土地を無償で貸与してもらい、地域の市民の寄付や積立金、そして、「地域コミュニティ振興施設助成要綱に基づく守口市からの助成金を受けて建設されています。(土地を民間から賃借している場合や建物を賃借している場合は、賃借料の要綱の指定の金額が毎年助成されます)
     また昭和39年、46年、49年に守口市によって建設された集会所が6施設あります。(所有は守口市)この施設は無償で自治会に貸しています。
     令和4年度予算では、このうちの一つの施設である南寺方集会所の移転による新築のための予算6千1百34万円が計上されています。

     これはもともと、令和2年3月に南地域コミュニティ協議会など6団体から「旧南小学校跡地の一部をコミュニティ活動の場として活用いただきたい」等の要望が出され、旧南小学校の一部、旧体育倉庫を集会所として利用する予定であったものが、解体工事に支障をきたすことが判明したことで、旧体育倉庫を撤去したうえで集会所を建設するということになったものです。
     守口市の所有する地域集会所はいずれも建築年度が古く耐震補強がされていません。計画的な建替え、もしくは耐震補強が求められていますが、議会委員会の答弁では、他の5つの施設は計画がなく、南寺方集会所だけが新築の予定であり、しかも、新築した後、地域に所有権を無償で移管するということが明らかになりました。
     守口市はこれまで市が所有する建築物を無償譲渡する場合、現状のままとしています。わざわざ新築して譲渡したことはありません。例えば、保育所の民営化でも、土地は無償貸与、建物は無償譲渡し、移管された法人が自らの資金で建替え・新築を行っています。ましてや、守口市が所有する6つの「地域集会所」の施設以外は地域住民が寄付等で資金をつくって建設していますから、本来は、建物を無償譲渡し、地域の住民の資金と市の助成金で建設すべきものです。建物そのものも、4千8百万円と高額です。他の施設では、「要綱」は市の助成金を工事費の3分の1、限度額は300万円としているように、新築価格は1千万円前後、高くても2千万円までです。高額な費用で新築した建物を無償で譲渡するのは、他の地域と比べてあまりにも不公平であるとのそしりは免れません。
     また、「南寺方は市長の地元中の地元だから優遇したのではないか」との噂がありますが、それが事実ならば行政の私物化であるとも指摘しなければなりません。
     もともと地域の要望は集会所を新築してほしいというものではありませんでした。(左図参照)旧南小学校の一部(具体的には旧倉庫室)を活用するなど再整備を検討してほしいというものでした。
     その要望を受けて守口市で検討した結果、4月22日に「旧体育倉庫の残存が教室棟等解体工事に支障を及ぼすことが明らかとなったので、旧体育倉庫は撤去する」「その上で、残存させる旧南小学校跡地に新築することとし、新集会所完成後には南寺方集会所を移転させることについて地元との協議調整を開始する」となったのです。そして唐突に「市の方針に基づき移転させること、旧体育倉庫を市の事情により撤去することから、新集会所の整備について公費で新築し、設置後は地元に移管・管理運営を委ねる予定」と付け加えました。
     いつの間に移転が市の方針になったのか不思議なことに最も大切なその説明がされていません。活用してほしい旧体育倉庫が活用できなくなっただけのことであり、守口市としては地域に「使えません」と回答すればすむ話です。
     旧体育室の残存が工事に影響を及ぼすとしていますが、実際は体育室を残すと杭が16本抜くことができないというだけです。その部分は公園として整備する予定で、建築物を整備するわけでもないので、杭が残っていたとしても公園整備にそれほど影響が出るものではありません。地域からの倉庫室を活用してほしいという要望を口実に、地域集会所の新築にひた走る守口市の姿がくっきりと浮かび上がります。
     公平で公正な市政こそが今求められています。