こんにちは。守口市会議員団です。
令和4年度地方財政~一般財源総額63兆8635億円で前年度比7200億円の増地方交付税18兆1千億円、借金を借金で返す臨財債1兆8千億円
総務省は1月24日に「令和4年度の地方財政の見通し・予算編成上の留意事項等について」という事務連絡を地方自治体に通知し、同日「全国都道府県財政課長・市町村担当課長合同会議」を開催して令和4年度地方財政計画について説明しました。
通常収支分として「令和3年度地方財政計画の水準を下回らないよう実質的に同水準を確保することを基本」として
①一般財源総額の確保
地方税、地方交付税等の一般財源総額について、水準超経費を除く交付団体ベースで前年度に比し203億円増の62兆135億円と、令和3年度地方財政計画を上回る額を確保することとしている。
②財源不足とその補てん措置
令和4年度の地方財政対策においては、財源不足額2兆5千5百59億円について、令和2年度に講じた令和4年度までの制度改正に基づき、次の補てん措置を講ずることとした結果、国と地方が折半して補塡すべき財源不足額は生じないこととなった。
・公共事業等債等の充 当率の臨時的引上げ等 による建設地方債(財 源対策債)の増発
7千6百億円
・地方交付税の増額(配 偶者控除・配偶者特別 控除の見直しによる個 人住民税の減収額の補 てん)に基づく加算額 の交付税特別会計への 繰入れ
154億円
・令和4年度における臨 時財政対策債の発行額 は、地方の負担である 過去に発行された臨時 財政対策債の元利償還 等にかかかる金額とす る。
1兆7千8百5億円
③地方交付税の総額
一般会計
15兆6千5百58億円特別会計
2兆3千9百80億円
④ 臨時財政対策債の抑制 等
・財源不足額については、 大幅に縮小し2兆5千 5百59億円となり、折 半対象財源不足は解消 すること。
・臨時財政対策債の発行 額については、大幅に 抑制し1兆7千8百5 億円(前年度比3兆6 千9百92億円、67.5 %減)としていること。
⑤地域社会のデジタル化 の推進
2000憶円
⑥公共施設の脱炭素化の 取組等の推進
1000億円増額
⑦地方税制改正
・令和4年度地方税制改 正においては、商業地 等に係る令和4年度分 の固定資産税等の税負 担の調整、法人事業税 の付加価値割における 給与等の支給額が増加 した場合の特例措置の 拡充等、個人住民税に おける住宅借入金等特 別税額控除の延長等の税制上の措置を講ずる こととしている
⑧通常収支分の規模
・通常収支分の歳入歳出 規模(令和4年度地方 財政計画ベース)は90 兆5千9百億円程度
(前年度比7千8百億 円程度、0.9%程度 増)、歳出のうち公債 費(公営企業繰出金中 企業債償還費普通会計 負担分を含む。)及び 不交付団体水準超経費 を除く地方一般歳出の 規模は75兆8千8百億 円程度(前年度比4千 8百億円程度、0.6 %程度増)となる見込み。
令和4年度地方財政対策では、自治体が自主的判断で自由に使える一般財源総額は、昨年度比7千2百3億円増の63兆8千6百35億円、地方交付税が交付される交付団体ベースでは2百3億円増の62兆百35億円です。
地方交付税・臨時財政対策債の推移 単位 兆円 | ||||||||||
年 度 | 平成25年 | 26年 | 27年 | 28年 | 29年 | 30年 | 令和元年 | 2年 | 3年 | 4年 |
地方交付税 | 17.1 | 16.9 | 16.8 | 16.7 | 16.3 | 16 | 16.2 | 16.6 | 17.4 | 18.1 |
臨時財政対策債 | 6.2 | 5.6 | 4.5 | 3.8 | 4 | 4 | 3.3 | 3.1 | 5.5 | 1.8 |
合 計 | 23.3 | 22.5 | 21.3 | 20.5 | 20.3 | 20 | 19.5 | 19.7 | 22.9 | 19.9 |
地方交付税は、昨年度比6千百53億円増の18兆5百38億円です。臨時財政対策債は昨年度比3兆6千9百92億円減で過去最低の1兆7千8百5億円となりました。臨財債の減少は「折半対象財源不足は解消」されるためです。したがって、臨財債は過去の臨財債の償還を行うための金額です。
政府も守口市も、臨財債の元利償還についてはは地方交付税に算入され交付されるものであるから、借金しても問題ないとしていましたが、令和4年度の地方財政対策で明らかなように、臨財債の償還のために臨財債を発行する、つまり借金して借金返済に充てるという悪循環に陥っているのです。
令和4年度に地方交付税と、それを「補填」する臨時財政対策債の合計が19兆円余と昨年度より減額になっているのは、地方税の増収が見込まれるからです。昨年の地財計画で地方税収は38兆3千億円としていましたが、現時点の決算見込みでは40兆4千億円と見込まれています。
令和4年度は過去最高の41兆3千億円となっています。これは国税の状況や地方法人2税が伸びる予測を立てているからです。特に輸出企業や「巣ごもり需要」に関する業種が全体の伸びを下支えしているとしています。一方オミクロンの感染拡大や、自動車企業での半導体の不足等による先行きの不透明さがあることについては「注視」していくとしています。