こんにちは。守口市会議員団です。
守口市議会令和3年度9月議会市民環境委員会審査
京街道・文禄堤・徳永家を一体として保存・活用する計画?
9月16日、市民環境委員会が開催され、付託された議案の審査が行われました。日本共産党の杉本議員が出席して審議しました。
市民環境委員会に付託された議案は、
議案第47号「クリーンセンター旧管理棟及び旧粗大ごみ処理施設解体工事請負契約の締結について」と議案第48号「令和3年度一般会計補正予算(第6号)」のうち委員会が所管する部分です。
議案第47号は、大阪広域環境施設組合の鶴見工場が老朽化しているための建て替え工事が、令和5年から着工されますが、それに先立ち、鶴見工場内のストックヤードが守口市のクリーンセンター内に移転するために、これまで使用していた施設を解体しようとするものです。
契約の相手方は、美馬建設株式会社守口営業所で、契約金額2億9千5百28万4千円です。
工事期間及び着工並びに完成については、議決の日の翌日から令和4年7月29日です。
杉本議員は、一般競争入札時に、市内業者・準市内業者には経審の評点が低く設定されて、優遇されているが市内業者育成というのであればすべての市内業者を育成するように努力すべきだと指摘しました。
解体工事名 | 落札者名 | 落札金額 |
クリーンセンター管理棟・粗大ごみ施設解体工事 | 美馬建設株式会社守口営業所? | 295,284,000 |
旧勤労青少年ホーム解体工事? | 丸翔建設株式会社守口営業所? | 112,500,000 |
旧本庁舎4号別館解体工事 | 矢野建設株式会社守口営業所? | 78,012,000 |
旧中央コミュニティセンター解体工事 | 美馬建設株式会社守口営業所? | 173,700,000 |
旧南部コミュニティセンター解体工事 ? | 美馬建設株式会社守口営業所? | 175,310,000 |
旧南小学校解体工事 ? | 美馬建設株式会社守口営業所? | 372,590,000 |
旧佐太保育所解体工事? | 美馬建設株式会社守口営業所? | 67,680,000 |
旧東部コミュニティセンター解体工事 | 矢野建設株式会社守口営業所? | 86,400,000 |
旧庭窪コミュニティセンター分室解体工事 | 豊徳建設株式会社? | 69,100,000 |
旧大久保保育所解体工事 ? | 株式会社新建築総合? | 42,430,000 |
旧おおくぼ幼稚園解体工事 | 丸翔建設株式会社守口営業所? | 73,900,000 |
旧大宮保育所解体工事 | 丸翔建設株式会社守口営業所? | 19,350,000 |
旧金田保育所解体工事 | 丸翔建設株式会社守口営業所? | 27,900,000 |
土居公園再整備工事・旧保健所解体工事 | 豊徳建設株式会社? | 155,400,000 |
守口市の解体工事による「地元育成」業者の落札状況 |
続いて、議案第48号一般会計補正予算の審議に移りました。
生涯学習費の費目に、文禄堤(旧徳永家住宅)保全・活用事業として2億9千5百28万4千円が、計上されています。文禄堤に立地し、京街道の宿場町であった守口宿の往時の面影を残す伝統的な家屋である旧徳永家住宅の所有者から、昨年12月24日に、市の文化振興や郷土愛の醸成に資するよう、建物の寄贈の申出があったことにより、その申出を受け、文禄堤と一体的に歴史文化振興の推進を図るとともに、京阪・守口市駅北側地域における賑わいの創出などに向け、貴重な歴史文化的資源として有効に活用するため、旧徳永家住宅の用地購入等を行います。(用地購入は、公共施設等整備基金を活用します。)
理事者が委員会質疑の中で徳永家について明らかにしたことは次の通りです。
旧徳永家は、伝統的な町や建築の建物であること。歴史的文化的な価値にかんがみ適切な保存・活用を予定しており、考古学的観点からの保存は想定していない。徳永家というのは、外枠が重要な建物であったということ。徳永家は近世において綿花や菜種油を扱う仕事をしていた商家であったこと。大阪と京を結ぶ街道の宿場の当時の様相を今に伝えているもの。近世から近代にかけての伝統的建築物で守口宿の歴史的町並みを作る重要な役割を果たしている。
杉本議員の質疑で明らかになったことは次の通りです。
徳永家の土地を購入することになったのは、令和2年12月24日付で寄贈の申し入れがあったことにより検討した結果、土地を購入することにした。
文禄堤といった歴史的街並みを作る建造物として、また、守口京阪駅北側エリアリノベーションとも連携して活用する。
もともと、計画はなかったが、寄贈の申し出があったので歴史的資源として活用することにした。
しかし、平成4年に大阪府が調査した4軒の歴史的建造物のうち、すでに3軒は解体され、徳永貞家一軒しか残っていない。また、平成28年12月の広報で特集した守口宿・文禄堤で紹介されていた天保6年建設の「呉服店茜屋」も解体され、旧家屋はこの一軒しかない。
それでも、近世から近代への大阪町屋の建築構造を持つ重要な役割を果たしているので、保存活用する。但しこの家屋の建築年度は分からない。守口市北側エリアリノベーションとの関連は、予算が議決されて以降整合性や活用方途を検討する。
予算に明記されている金額は土地鑑定評価に示されている金額である。 杉本議員は交渉によって変動するのではないか、売方はなるべく高く、買方はなるべく安くということなのに、鑑定価格と予算がピタリ一致では交渉の余地がないのではないか、と質すと予算の金額は上限で、これから交渉だが鑑定評価額はすでに相手方に示していると答弁しました。
「土地の鑑定書」は、「個人情報」が記載されているとして審議する委員には要約も提示せず、一方、相手方には評価額を示していたのです。売買契約の事前行為を逸脱しています。予算議決後、万一鑑定価格(予算金額)で1円の変動網もなく契約されれば事前に合意していたこととなります。
また、文禄堤・守口宿と一体の保存活用と言いながら既に多くの「歴史的建造物」が消失してしまっている現在、どのように活用していくのか具体的な方途を示すことができません。寄贈の申し出があって初めて保存活用することを決めたのですから無理はありません。
京阪守口市駅北側エリアリノベーション計画と連携して活用するとしながら、「予算議決後に整合性を検討する」と、答弁するに至ってはあまりにもずさんな計画であることを証明しているものです。