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  • こんにちは。守口市会議員団です。

    新守口No.2520 2021.8.29 自衛官・自衛官候補生募集のために守口市が住基の一部を提供

    [2021.9.8] -[インフォメーション新守口]

    自衛官・自衛官候補生募集のために守口市が住基の一部を紙媒体で提供

     閣議決定で住基法で禁止されている事項を覆す~戦争法と同じ構図

     守口市が、自衛隊大阪地方協力本部長から令和3年3月29日付けで依頼を受けて自衛官及び自衛官候補生のために必要な募集対象者情報の提出していることが明らかになりました。
    提出した内容は、

    ①提出内容
     出生の年月日が平成15年4月2日から平成16年4月1日までの男子及び女子(日本住民に限る)及び平成11年4月2日から平成12年4月1日までの男子及び女子(日本住民に限る)に係る募集対象者情報の関する資料
    ②提出方法
     紙媒体(自衛隊大阪地方協力本部の要望による)③その他
     住民基本台帳については、総合窓口課の事務内容であるため、総含窓口課へ情報の提出を依頼し、PDF処理後に自衛隊大阪地方協力本部へ提出

    と、なっています。
     住民基本台帳は個人情報であり、本人が知らないうちに自衛隊という国の機関に提出できるのかという問題があります。
     個人情報保護法は第23条で「個人情報取扱事業者は、次に掲げる場合を除くほか、あらかじめ本人の同意を得ないで、個人データを第三者に提供してはならない。」と定め本人同意を除外する4点を示しています。

    一 法令に基づく場合
    二 人の生命、身体又は財産の保護のために必要がある場合であって、本人の同意を得ることが困難であるとき。
    三 公衆衛生の向上又は児童の健全な育成の推進のために特に必要がある場合であって、本人の同意を得ることが困難であるとき。
    四 国の機関若しくは地方公共団体又はその委託を受けた者が法令の定める事務を遂行することに対して協力する必要がある場合であって、本人の同意を得ることにより当該事務の遂行に支障を及ぼすおそれがあるとき。

     自衛隊に適格者名簿を提供している自治体は「法令に基づくもの」であるから本人同意なく提供できるとしています。
    その法令とは

    自衛隊法第九十七条 都道府県知事及び市町村長は、政令で定めるところにより、自衛官及び自衛官候補生の募集に関する事務の一部を行う。
    自衛隊法施行令
    第百二十条 防衛大臣は、自衛官又は自衛官候補生の募集に関し必要があると認めるときは、都道府県知事又は市町村長に対し、必要な報告又は資料の提出を求めることができる

    と、いうものです。
     自衛官又は…募集に関する事務は法定受託事務ですが、適格者名簿のこの法令は強行規定(当事者の意思にかかわりなく適用される規定)ではなく任意規定(、当事者の意思によって適用しないことができるような規定)です。防衛大臣が提出を求めることができるとはなっていますが、市町村はその求めに従わなければならないとはなっていません。適格者名簿自衛隊に提出するかしないかは、あくまでも市町村で意思決定するものです。

    住民基本台帳法は複写することを拒否している

     問題はもう一つあります。
     住民基本台帳法11条は

    第十一条 国又は地方公共団体の機関は、法令で定める事務の遂行のために必要である場合には、市町村長に対し、当該市町村が備える住民基本台帳のうち第七条第一号から第三号まで及び第七号に掲げる事項に係る部分の写しを当該国又は地方公共団体の機関の職員で当該国又は地方公共団体の機関が指定するものに閲覧させることを請求することができる。

     としており。閲覧をさせることは出来ても複写(コピー)することまでは認めていないのです。
     守口市は、住民基本台帳に記載されている項目のうち 住所、氏名、生年月日、性別の四項目を抜き出しPDF化したうえでコピーして自衛隊に渡していますから法に抵触することになります。そのことが指摘されると「令和3年2月5日」付の防衛省人事教育局人材育成課長、総務省自治行政局住民制度課長連名の「自衛官又は自衛官候補生の募集事務に関する資料の提出について」という通知の存在を示します。そこには「募集に関し必要な資料として、住民基本台帳の一部の写しを用いることについて、住民基本台帳法上、特段の問題を生ずるものではないこと」と、書かれています。この通知は、自治体から「住民基本台帳法の『閲覧』の概念を超えるものであることから、地方公共団体が、住民基本台帳のコピー等を提供することは認められない。対応に苦慮している」との声に対応して令和2年12月18日の閣議で「市区町村長が住民基本台帳の一部の写しを提出することが可能であることを明確化し、地方公共団体に令和2年度中に通知する」という決定を受け総務省等が通知したものです。ところがこの「通知」には重大な欠陥があります。通知そのものが閣議決定されたものでもなく、たとえ閣議決定されたとしても法律で禁止されていることについて「問題ない」というのであれば、法律の存在意義が失われます。刑法で禁止されている犯罪を犯せば閣議で問題なしとしても犯罪になるのと同様、法律で禁止されているものは法を改定しない限り禁止事項であることには変わりがないのです。
     総務省等の一片の通知で法の解釈をゆがめ、正当化する政府に追随していては自治体の自立権は守れません。