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  • こんにちは。守口市会議員団です。

    共立メンテナンスの学童指導員雇止め問題・全国に広がる

    [2020.9.23] -[インフォメーション新守口新着情報]

      民間業者だけでなく行政にも学童保育の本質が問われている

     東洋経済オンラインでノンフィクションライターの須藤みか氏の記事が掲載されています。「学童保育『全国で雇い止め』が多発する根本原因」との表題です。
     冒頭「大阪府守口市の学童保育で働いていた30~50代の指導員10人はこの夏、裁判にのぞんでいる。今年はコロナ禍でずれこんでいる夏休みだが例年、その準備は2ヵ月前から始まる。子どもたちの思いを聞きながら、放課後だけではできない経験ができるようプログラムを組み立てていく。直前ともなれば、わくわくするような冒険のストーリーを語ったり、仕掛けをつくり、子どもたちのなかの意欲や興味をかきたてていく。通常の保育をしながらの準備は忙しくも楽しい時間だった。しかし10人は、子どもたちの前ではなく、法廷に立っていた。」との書き出しで始まります。


     「同市では2019年度から、公営だった学童保育事業を民間企業に委託。市の非正規職員として働いていた指導員は、委託先の共立メンテナンスと雇用契約を結んだ。しかし今年3月末、コロナ禍での臨時休校中、大量の雇い止めが行われた。その理由は、『会社に反抗的だった』など。雇い止めは無効だとして、労働者としての地位の確認等を求めて5月、集団で提訴した。」と、現状を述べ続いて「指導員10人は雇い止めされるような『よほどのこと』をしたのか。10人は短い人でも8年、最長の人で37年の経験を持つ。」と、雇止めに疑問を呈します。
     そして、「保護者からも不満の声はあがる。3年生の子どもを通わせる保護者は、上の子も学童に通わせていたため通算5年間、指導員の仕事を間近に見てきた。
     昨年度は、委託された企業からあれもダメ、これもダメと制限がかかり、これまでと同じようには行事や保育が行えなくなっていました。不満は感じていましたが、信頼できる指導員さんたちがいたので、不安はまったくありませんでした。しかし、4月以降、まったく雰囲気が変わってしまい、あんなに学童が好きだった子が行きたがらなくなりました。3月までの指導員が、どれほどのスキルと知識をもって保育してくれていたのかと改めて感じています。誰にでもできる仕事ではないことを会社はわかっていません。市のパンフレットには『安心・安全』と書かれていますが、子どもが行きたくない場所を安心・安全と言えるのでしょうか。自分たちの意に沿わない指導員を切り捨てたのです」と憤る。」と、保護者の憤りの声を紹介します。
     民間委託された守口市の学童保育の現場で起きていることを保護者の声で紹介しています。
     「第1回口頭弁論を傍聴に来ていた保護者は、1年生の子どもを6月に退所させた。『上の2人の子たちも学童に行き、家庭だけでは経験できないことをたくさんさせてもらったので、末っ子にも行かせたかった。でも、今はただ預かればいいという場所になってしまいました。指導員が子どもたちの心まで見ようとはしていません。守口市には無料の全児童対象の預かり事業がありますが、今の学童はそこと変わらない。せめて子どもが楽しいと言えば続けたんですが、行きたがらない。うちは退所しましたが、前の指導員さんたちには戻ってきてほしい。それほど学童は大切な居場所です』」
     そして、ベテラン指導員の役割を「経験豊かな指導員ならば、遊びや生活のなかで危険やトラブルを子ども自身が認識できるようにする。そしてどう回避し、乗り越えていけばよいかを子どもと一緒に考え、実行していく。子どもが生きる力を身につけるチャンスだからだ。」
     ところが、「民間委託によってベテラン指導員が働き続けられなくなるケースは各地で起きている。」ことを指摘し、
    「コロナ禍によって「学童は社会資源」という認識は広がったが、学童保育とはどういう場なのかという共通認識は社会には定着していない。民間企業だけでなく行政に対しても、学童保育の本質を問う裁判となる。」と、結んでいます。