こんにちは。守口市会議員団です。
守口市が児童クラブ運営を委託した
共立メンテナンスに不当労働行為で府労委が団交応諾命令
守口市は、児童クラブ(入会児童室)の運営を平成31年4月1日から民間の営利企業に委託しました。
受託した株式会社共立メンテナンスは、市の直営時代に指導員として勤務していた職員のうち希望する者全員を雇用しています。
指導員が設立した労働組合は、4月1日に労働条件改善を求める要求を提出、団体交渉の開催を申入れました。しかし、(株)共立は「組合規約が労働組合法に抵触し、適法な労働組合ではない」との理由で、交渉を拒否しました。
組合は、令和元年年9月11日、大阪府労働委員会に、団交応諾を求めて救済命令の申立を行いました。(株)共立は、第1回の調査には出席したものの、第2回以降は欠席したままの異例な結審となり、4月20日づけで大阪府労働委員会は(株)共立は労働組合との団体交渉に応じなければならないとの命令を下しました。命令書は全体で10頁にわたっています。
主 文
1 被申立人は、申立人からの平成31年4月1日付け要求書、令和元年5月23日付け要求書及び人事異動にっいての同年7月25日付け要求書に係る団体交渉申入れに応じなければならない。 .
2 被申立人は、申立人に対し、下記の文書を速やかに手交するとともに、縦2メートル× 横1メートル大の白色板に下記の文書と同文を明瞭に記載して、 被申立人関西支店及び守口営業所の従業員の見やすい場所に2週間掲示しなければならない。
記
守ロ市学童保育指導員労働組合
執行委員長 ○○ 〇様
株式会社共立メンテナンス
代表取締役 上田 卓味
当社が、貴組合からの平成31年4月1日付け要求書、令和元年5月23日付け要求書及び同年7月25日付け要求書に係る団体交渉申入れに応じなかったことは、大阪府労働委員会において労働組合法第7条第2号に該当する不当労働行為であると認められました。今後、このような行為を繰り返さないようにいたします。
大阪府労働委員会は、「本件審査手続における経緯について」の項目で「会社は、会社とも日程調整した上で設定した同年12月9日の第2回調査期日を欠席した。また、会社は、会社とも日程調整した上で設定した同月30日の第3回調査期日を欠席した。令和2年2月26日、最終陳述期日が開催され、本件は結審した。なお、会社は、会社とも日程調整した上で設定したこの期日を欠席した。」と、第1回の調査にだけ出席し、残り2回を期日を調整した上で決定したにもかかわらずドタキャンして出席しなかったこと、最終陳述日にも同様に欠席したことを明らかにしています。
自らの会社の労働組合との団体交渉に応じなかったばかりか、大阪府労働委員会の審査にもドタキャンして欠席するという無法ぶりは決して許されるものではありません。会社として労働法制に無理解なのか、理解しながらあえて違法を犯しているのか、いずれにしても、児童クラブという守口市のこどものための事業を運営する資格がないことは明らかです。
守口市との委託契約書の中身ははどうなっているのでしょうか?
平成30年8月に守口市と(株)共立は委託契約を結んでいます。その第一条では「発注者(守口市)及び受注者(共立メンテナンス)は、この契約書に基づき、仕様書等(仕様書、特記仕様書をいう。以下同じ)に従い、日本国の法令を遵守し、この契約を誠実に履行しなければならない。」としています。また、第6条では
「(法令上の責任等)
第6条 受注者は、業務に従事する放課後児童支援員、補助支援員及び第9条第1項に規定する業務責任者(以下「社員等」という。)の使用者として、労働基準法(昭和22年法律第49号)、労働者災害補償保険法(昭和22年法律第50号)、職業安定法(昭和22年法律第玉41号)、最低賃金法(昭和34年法律第137号)その他関係法令を遵守するとともに、これら法令上の一切の責任を負い、かつ責任をもって労務管理を行うものとする。」としています。
今回、大阪府労働委員会から(株)共立は、不当労働行為であると認定されました。労働法制に違反したとされたのです。
市との契約条項に明確に違反したのですから守口市には厳正な対応が求められています。