こんにちは。守口市会議員団です。
[2008.5.23] -[新守口]
現代の姥捨て山、長寿ペナルティ医療制度など悪名高い「後期高齢者医療制度」が施行されて1カ月が過ぎました。
守口市では、4月23日現在で後期高齢者医療制度の被保険者は1万2698人です。そのうち年金から強制的に保険料を天引きされる高齢者は、8,696人、年金を受給していながら、介護保険料と後期高齢者医療保険料を合わせると年金の2分の1を超える高齢者は528人に上ります。
これまでの国民健康保険では保険料の決定については守口市民から直接選ばれた市会議員が議会で議論して行われていましたし、市長の諮問機関である守口市国民健康保険運営協議会でも議論されていました。また、生活の困難の程度に応じて守口市独自の保険料減免制度がありました。
後期高齢者医療制度では、守口市が独自に保険料の軽減を行うことができない仕組みになっていますが、多くの高齢者や関係者から守口市の窓口に問い合わせや苦情が殺到しています。「なぜ勝手に年金から天引きするのか。」「保険料が高すぎる。これまで国保では、減免してもらっていたので、引き続き減免してもらいたい。」「そもそもこんな医療制度になぜ入らなければならないのか」等々相談や苦情は広範囲にわたります。
3月28日付厚生省保険局総務課長並びに国民健康保険課長の連名で都道府県及び指定都市の老人保健主管部長、都道府県後期高齢者医療広域連合事務局長、国民健康保健主管部長宛に「年金からの後期高齢者医療保険料及び国民健康保険料(税)の徴収に係る照会への対応について(依頼)」という文書が送付されました。
この文書は、4月から後期高齢者医療保険料が年金から天引きされることにより、多数の照会が寄せられることを予想し、支給される年金の額や支払い方法については、年金保険者(注・社会保険事務所)が対応するが、保険料の額や、天引きの理由等については広域連合や、市町村で対応するように求めています。さらに、国に対して、苦情や問い合わせがあれば、市町村の窓口へ行くようにするので、市町村の窓口で責任をもって対応するようにとも述べています。
こんな身勝手な話はありません。国が法律で勝手に後期高齢者医療制度をつくっておきながら、苦情処理を市町村に押し付けるのは、国の責任放棄でしかありません。説明責任は第一義的に国にあるのはだれが見ても明らかです。
この文書では、具体的な事例まで列挙して、市町村に責任を押し付けています。
「他の主体若しくは他の部署の責任にする又は全く回答しない等の対応を避け、できる限り制度の趣旨等について理解を得られるよう説明を行うこと」とし、具体的には、
(適切でない対応例)
「年金天引きは年金の問題なので社会保険庁に聞いてください」
「保険料については広域連合が賦課しているので、こちら(市区町村)に聞かれても分からない」
「そもそも年金天引きの制度を作ったのは国なので、制度の仕組みについては厚生労働省に聞いてください」
など
と、しています。
ここに見られるのは、国民の大きな反発を、すでに3月の時点で予測しながら、積極的に国が説明責任を果たそうとせず、後期高齢者医療制度が実施されてから、その説明を市町村に押し付け、国民の批判が制度をつくった国に来ないようにと、画策する官僚の醜悪な姿です。
矢野博之日本共産党衆院大阪6区国政対策委員長は「国の責任を地方に押し付けるやり方は断じて許せない。後期高齢者医療制度は廃止しかない。日本共産党は他の野党とも協力し、制度廃止に向けて全力をつくします」と話しています。