[2019.11.26] -[インフォメーション・新守口]
小学校のプール開放事業廃止はどのように検討・決定されたのか
公文書不存在で後世の検証に耐えられないやり方は改善すべき
守口市は、今年の夏から小学校でのプール開放事業を廃止しました。(新守口2420号・8月25日付でお知らせ済み)
今年3月に開かれた2月定例会、3月12日の市民環境委員会で小学校のプール開放事業が廃止するとの守口市の方針が取り上げられて議員から廃止の理由についての質問がありました。
理事者は大阪府の一般開放事業プールの基準に耐えられなくなったことを説明しました。しかし、既報のようにその基準は新設の場合またはプール改修の時に基準をクリアするようにということにすぎず、この基準を持って廃止というのは理由になりません。
そこで併せて理事者は「あとまた学校の体育とは異なりまして、近年猛暑等で水温が非常に高くなります。そういった水温の上昇や熱中症の危険回避などについての管理上の課題等もいろいろ検討して勘案した結果、事業の継続を断念するということとしたものでございます。」と答弁しています。また、「プール開放の代替となる事業の必要性については一定の検討も行いましたが、近隣の公共プールをお使いいただくということで、市としての助成等の事業化は見送ることといたしました 」とも説明していました。
市民環境委員会では、「いろいろ検討」、「一定の検討」とだけの説明にとどまっていたため、その具体的な検討の中身について情報公開制度を利用し、「検討の中身がわかる文書」を公開請求しました。
ところが届いたのは非公開決定通知でした。守口市情報公開条例第2条第2号に該当する文書を保有していないためというのがその理由です。
守口市情報公開条例
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(1)(略)
(2)公文書 実施機関の職員が職務上作成し、又は取得した文書、図画、写真、マイクロフィルム及び電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られた記録をいう。第15条において同じ。)であって、当該実施機関の職員が組織的に用いるものとして、当該実施機関が保有しているものをいう。ただし、官報、白書、新聞、雑誌、書籍その他不特定多数のものに販売することを目的として発行されるものを除く。
つまり、検討した内容は公文書として存在しないということです。
新しい施策を行う場合は起案文書を作成し、必要な部署の管理職職員等が合議の押印を行います。実態を正確に反映しているかどうかは別にして、事業課がどのような理由で新規施策を行うのかをその中に明記します。形式上は責任の所在が明らかになっています。
ところが、事業を廃止する場合、どの部署でどのような検討が行われて事業廃止の結論に至ったのかが明らかではありません。責任の所在もあいまいです。今回のように議会で「いろいろ検討した」といいながらその証明ができません。
では、委員会で答弁した職員が議会で虚偽の答弁をしたのかということになってしまいます。
職員の個人責任が問われてしまうようなやり方は改めるべきです。どのような理由で事業廃止を行ったのか文書で残すべきです。