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  • こんにちは。守口市会議員団です。

    認定第1号 平成29年度一般会計決算及び認定第2号、国民健康保険特別会計に反対の討論

    [2018.12.7] -[インフォメーション]

    12月6日に開催されました守口市議会12月定例会本会議においての認定議案第1号、第2号に対する、日本共産党守口市会議員団を代表しての真崎求議員の反対討論を報告します。

    私は、認定第1号、平成29年度一般会計決算及び認定第2号、国民健康保険特別会計に反対の討論を行います。

     

    さて、一般会計についてであります。

    平成29年度の収支は、歳入総額、657億1749万4千円歳出総額648億528万円、翌年度へ繰り越すべき財源6千437万3千円、したがって実質収支8億4千784万1千円の黒字、ということであります。

     

    胸を張って黒字だといえるでしょうか?

     

    後ほど提案される12月の補正予算の中に計上されています4億7千万円余りの返還金は、29年度に国や大阪府からもらいすぎていた補助金や交付金を返すためのものです。

     

    つまり、「黒字」といっている約8億5千万円のうち4億7千万円は補助金や交付金を概算払いで多く国や大阪府からもらっていたものであって、守口市が懐に入れるような類のお金ではなかったのです。

     

    さらに、29年度予算に計上されていた国保会計への条例減免分である一般会計からの負担金が支出されていません。その金額が3億8千7百万円です。

     

     こうしてみると、8億5千万円の「黒字」というのは、国や大阪府に返さなければならない4億7千万円と、本来負担しなければならないものを一方的に取止めた国保へ繰り入れ3億8千万円で構成されていることがよくわかります。

     

    普通の感覚ではこういうものを黒字とは言いません。

     

     自主財源の問題も指摘しなければなりません。

     

    自主財源の多少は、行政活動の自立性、安定性を図る尺度となりますが、その自主財源比率が平成23年度から50%以下になりました。

     

    守口市最大の財政危機であった平成19年度でさえも自主財源比率は51.2%と、依存財源を上回っていたのです。

     

    それが、平成29年度決算では38.3%と3割台にまで落ち込みました。寺方元町市有地や金田1丁目市有地など土地売却益がなければ、自主財源比率はさらに、26.5%まで落ち込みます。この会計が、いかに身の丈以上の予算になっているのか明らかです。とても歳入の範囲内で予算を組むどころの話ではありません。

     

    経常収支比率は人件費が22%まで落ち込んでいるにもかかわらず、扶助費が経常一般財源で70億円を超えたため、依然として100.5%と、100%を上回り、地方債残高は638億円と守口市政史上最高水準を更新しています。

     

    平成29年度扶助費の増加の最大の要因は幼稚園使用料・保育所保育料のいわゆる幼保無償化にあります。

     

    保育所民営化や統廃合で8.5億円をねん出し、幼保無償化の財源に充てるとしていましたが、保育所民営化や統廃合ではほとんど財源のねん出ができないことは明らかになりました。

     

    それどころか、幼保無償化により、申し込み児童が増えたため、新たな保育施設が必要になりその経費が増嵩することになりました。

     

    もちろん、平成29年度は統廃合も民営化も行われていませんから財源はありませんでした。では、どうやって捻出したかといえば、土地の売却です。さきほども少しふれました寺方元町市有地(公園・保育所跡地)と金田1丁目市有地の売却益6億1千万円です。

     

    それでも足りない分はどうしたのか。当初計画していた中部と南部のエリアコミュニティセンター建設費の縮減です。

     

    平成26年3月に「守口市地域コミュニティ拠点施設基本計画」が発表され、その計画に基づいて実施される予定でした。「構造・設備等計画は、RC造ラーメン構造とし、適宜支持地盤までの杭を設置 設備等:安全性の高い快適環境の創出に努め、ユニバーサルデザインを導入するとともに、環境配慮型設計に努める。」など、東部・中部・南部の3つの拠点施設の新築を前提とした計画で、いろいろな機能を持つ施設であると、誇らしげに述べていました。

     

    しかし、新築したのは結局東部エリアコミュニティセンターだけでした。中部・南部は既存の公共施設の一部を改修して再利用するという程度の事業に大幅に縮小されたのです。

     

    この庁舎の地下に設置された中部エリアコミセンは、建築基準法の制限があるため、部屋の間仕切りを天井まで完全に遮断できず、マイクを使わなくて普通の声でも隣の声が聞こえてきます。

     

     歌や音楽・楽器演奏などはとんでもないという話です。図書はコーナーが設置されただけで貸し出しもできない、などなど、どこに「拠点施設基本計画」の理念があるのでしょうか。

     

     形さえ整えばそれで良しとし、中身が空っぽになっています。当初のコミュニティの理念はどこかえ行ってしまい、ただの貸館になり下がったというのが現在の到達です。

     

    羊頭狗肉であると指摘しなければなりません。

     

     このように、幼保無償化という一つの施策に集中するあまり、自らが作成した「基本計画」をもないがしろにすることが「選択と集中」ということでしょうか。市民の方から頂いた大切な税金を一部の施策に集中し、他の施策をないがしろにするやり方断じて認めるわけにはいきません。

     

     新築した東部エリアコミセンにも問題があります。北側入り口の視覚障がい者用誘導版いわゆる点字ブロックは東側から来た場合入り口には花壇があってまっすぐいけず、西側へ通り越して、改めて敷地内に入り東側へ戻って入口に到達します。

     

    なぜ花壇を設置してまっすぐ入れないようにしているのかとの質問に、西側に行き敷地内に入ったところに掲示板があるからそれを見てもらうためだと答弁されました。

     

    誰に見てもらうのでしょう?視覚障がい者のための点字ブロックが必要な方にわざわざ遠回りをさせて何を見てもらうのでしょう?

     

     また、点字ブロックの色もデザイン重視なのかどうか知りませんがシルバーやグレイで床の色と同色のため判別しにくくなっています。「ユニバーサルデザインを導入」という理念はどこにあるのでしょう。

     

     藤田中学校の跡地としての記念碑も設置されていないし、駐車場も実施設計では8台であったにもかかわらず7台に縮小されています。

     

    設計に問題があったのか施工に問題があったのか、少なくない設計変更があったにもかかわらず契約金額に変更がないとして議会にはただの一度も何の報告もありませんでした。

     このような議会軽視についても厳しく指摘をしておきます。

     

     さて、障碍者に対する姿勢の問題では守口市駅前に設置されているステージも問題です。

     

     もともと、都市計画道路上に「道路休憩施設」として設置されたものです。ところが29年度の当初予算において屋根を設置する費用が計上されました。そしてその後、都市計画審議会が開催され賛成多数で当該地を都市計画道路から外すということが決定されました。

     

    道路上には道路施設以外の設置が認められないとの法律の縛りから逃れるための姑息な手段でした。屋根をつける予算が先に公表されたうえで、屋根をつけるために都市計画の変更という手順も何もむちゃくちゃで強引なやり方は厳しく指弾しなければなりません。

     

    道路休憩施設設置等に平成25年度に1,900万円、そして29年度屋根の取り付け工事等に2,600万円、合計4,500万円が投入されています。1年間を通して利用されるものではなくわずかなイベント時使用するためにこれだけの大金が使われたのです。

     

    さらに噴飯ものなのは、この施設のために障がい者用誘導版、点字ブロックがステージの裏側になってしまい、障碍者はこのステージと歩車分離の柵の間を通ってタクシー乗り場に向かいますが、照明塔の柱の土台やタクシー乗り場の案内板の土台が大阪府福祉の街づくり条例に基づく障がい者が通行するための最低基準を満たしていないのです。

     

    「障碍者そこのけイベントが通る」という状態になっていることは絶対に看過できません。

     

    児童発達支援センター、わかくさ・わかすぎの決算も面妖なことが起こっています。児童の送迎用バスの運行契約がうまくいかず、運行にかかる金額が増額されていますが、流用で対応したため、執行できなかった費目が生まれています。

     

    原材料費、備品購入費がゼロ執行、その他印刷製本費や消耗品費が大幅に減額されています。

     

    普通は、このような場合補正予算を組んで対応するのが当然であります。

     

    ただでさえ少ない障がいを持つこどもの支援施設の予算をこのように圧迫したことにより、必要ものも購入できない、異常な節約ということが起こっています。

     

    ここにも障がい児(者)に対する目線の冷たさが表れています。

     

    生活保護事業では、29年度も大阪府からの指摘がありました。人員配置問題であります。29年度はSVやCWは有資格者であったようです。しかし、大阪府の監査で「貴市福祉事務所においては、現業員の配置数が社会福祉法に定める標準数に比して17名不足している状況にありました。また、査察指導員の配置数についても、現業員への査察指導機能を果たす上で十分でない状況です。今回の監査において、課税調査の適切な事務処理について等、是正改善が必要であると認められた事項については、実施体制の未整備が少なからず影響しているものと思われ、このことは、現業員及び査察指導員に対し過度の負担を強いることとなり、結果として十分な自立助長への指導援助ができず、ケース処遇の停滞を招くことになります。ついては、制度の適正な運営を確保する観点から、現業員及び査察指導員の所要人数の充足に努めてください。」との指摘を受けています。

     

    人が少ないから一生懸命仕事をしようとすればどうしても時間外に、つまり残業になります。すると今度は人事当局から残業が多いと指摘を受けます。ではその人事当局が人を増やせばいいのですがそれはやらない。

     

    少ない職員で仕事をこなすにはどうすればいいかといえば、「手を抜いたらええねん」「仕事は8割や」などと暴言を吐いた管理職がいるとの話を聞いたことがあります。

     

    「工夫次第で可能と考える」として「不要不急の仕事を棚卸し、勇気を持って、その事務事業を辞める」という文書を見た記憶もあります。

     

    冗談か戯言だとは思いますが、妙に真実味を帯びていることに戦慄を覚えます。

    とまれ、市職員の削減のための削減は何の意味もありません。市民奉仕の仕事をしてこその職員であり、市民奉仕の仕事を減らして職員を減らすのは本末転倒です。

     

    昨年さつき学園で漏水事故がありました。排水バルブを点検の人が閉栓したことによりオーバーフローした水が室内に入り水浸しになった事故です。

     

     確かに、その事故は人為的要素が大であったとはいえ 排水管配管の設計にも問題がありました。しかし、人的ミスをカバーするように設計するのがプロの仕事です。

     

    二重にも三重にもとは言いませんが、この事故の原因は単純で、機械室の配水管を外部の間に接続しておけば防げたものです。

     

    民間業者から設計図書が提出されたらうのみにするのではなく設計図書を読み取り、検討し、弱点を見抜ける専門家が必要です。守口市はこれまでそのような専門家は技術者は綺羅星のごとくいました。

     

    民間に委託すればするほどそれを監督する技術職員が必要なことは常識です。

     

    私たち政治家は今だけを見ておけばそれで済むものではありません。守口市の過去からの経緯を引き継ぎ、将来に残すものと時代に合わなくなったものを見極め、そして将来に責任ある施策を進めていくことが必要です。人は石垣、人は城といいます。職員を削減するだけでなく、将来の守口市を担う職員の育成もまた私たち政治家の重要な仕事であることを申し上げて反対討論とします。

     

     

    次に認定第2号特別会計国民健康保険決算の認定に反対の討論を行います。

     

    国民健康保険制度は、国民皆保険のもとで、自営業や零細企業の労働者、無職の方、高齢者など他の健保に加入できない低所得者を中心に被保険者が構成されています。

    事業主負担がない代わりに国や地方自治体が負担金をだしもちろん被保険者が支払う保険料で会計を賄います。

     

    国保会計を黒字にしようとすれば保険料を高額にすれば簡単に黒字になります。しかし、それでは低所得者の負担が大きくなり市民生活が破たんをしてしまいます。

     

    要はトントン、収支均衡が最も望まれるのです。もちろん他の自治体ではそれでも保険料を引き下げるために一般会計から余分に負担金を支出しているところもあります。

     

    守口市はただの一度も保険料金引き下げには一円のカネも出したことがありません。ではせめて黒字分は還元すべきだと思います。

     

    29年決算で16億9500万円の黒字でした。被保険者3万3千704人ですから一人当たり5万円の黒字です。翌年の保険料引き下げの財源に使えば、最高額に達する所得水準も引き下がり、どうしても最高額に到達する高所得者以外は引き下がります。

     

    赤字になれば保険料を引き上げておいて、黒字になれば16億9500万円のうち10億円を基金に溜め込み、市民に還元しない姿勢は到底容認できません。

     

    以上、反対討論とします。