[2017.1.10] -[新守口]
大阪府は子どもやひとり親、障害者、高齢者の経済的負担を軽減する福祉医療費助成制度の対象を広げる一方で、患者負担額の引き上げを検討しています。また65歳以上で、精神障害者(1級以外)や難病患者(重度以外)、結核患者は対象から外す方向で、事実上、老人医療費助成制度を廃止しようとしています。いずれも来年11月の導入を目指していますが、子育て世代や高齢者から批判の声が出ています。
対象外しと負担増で対象を一部拡大
福祉医療制度の府の見直し案では、これまで対象外だった精神障害者1級と重度難病患者を新たに助成対象に加え、精神障害者は入院も3カ月まで助成。訪問看護ステーションによる訪問看護も対象に加えます。
このように助成対象を一部拡大するものの、対象拡大によって増える必要経費は、患者負担増や対象者の一部外しでまかなおうとしています。
現在、65歳以上は精神障害者なども病院代は1回500円ですが、見直し案では、年齢に関係なく精神障害は1級だけ、難病患者も重度の人だけに限り、これまで対象だった約3万6300人以上を対象外にし、老人医療費助成制度を実質廃止しようとしています。
薬局でも負担増で上限も引き上げる
現在は入院通院ともに1日500円で、薬代の負担はなく、同じ医療機関であれば月1千円が上限です。これを府は薬局でも500円を負担し月の上限を撤廃しようとしています。
さらに複数の医療機関にかかった場合の月の負担上限2500円も、4500円程度に引き上げられると見られます。
また、大阪府は、重度障害以外を医療費助成の対象外にすることを検討。国も「軽快者」として指定難病の助成から外そうとしています。
高齢者や子育て世帯、障害者から批判の声が
あるご夫婦は、少ない年金等の収入から介護保険料や後期高齢者医療保険料が天引きされています。「動けるうちは働いてやっていけるが、動けなくなったらどうしようか。病気になったら働けない。医療費がかさんでくるのは本当に死活問題」と訴えます。
子どもを育てる保護者からは、「小さい頃は、毎月のように病院に通っている。
患者負担の引き上げは、家計を直撃する。」と、怒りの声を上げています。
現在1回500円の負担が制度が見直されると千円に、月千円の負担が2千〜3千円に増えます。
さらに「障害者(児)を守る全大阪連絡協議会」から、『福祉医療費助成制度の一部自己負担金の拙速な引き上げに反対する意見書』の採択のお願いも、守口市議会議長宛に、提出されています。
守口市の対応も問われる
大阪府での、福祉医療費助成制度の改悪をさせないことはもちろん、改悪されてしまった場合でも、守口市が防波堤となり、その負担分を市民に負担させないようにする市の施策が求められます。