こんにちは。守口市会議員団です。
[2008.3.2] -[新守口]
二月四日、西口市長は全議員を対象にして「早期健全化団体等適用防止計画」(財政危機対策指針第二次改定版)の説明会を行いました。
「早期健全化団体」とは、昨年成立した「自治体財政健全化法」に基づく四つの財政指標のうち、いずれか一つでも「イエローカード(注意ゾーン)」になる自治体のことで、守口市の場合は財政指標の一つである「連結実質赤字比率」がこれに相当しています。「連結実質赤字比率」とは、企業で言うところの連結決算のことで、自治体の一般会計だけでなく、国保や水道事業などの特別会計も含めた会計の「健全性」を示すものとされています。しかし、この考え方は昨年の法律で新しく導入されたものなので、三年間は経過措置として基準が緩くなっています。要するに守口市のかかえている一般会計平成一九年度決算見込みで二九億円を今年から三年間で五千二百万円の黒字に、国民健康保険で三八億の赤字をこれ以上増やさない計画を立てたということです。
守口市はこれまで「行財政改革大綱」「第二次行財政改革大綱」をもとに、職員数の削減、特別職報酬・職員給料の削減、民間委託などを計画的に実施し行財政の効率化に努めてきました。しかしながら景気低迷等による市税収入の落ち込みや、ますます厳しくなる財政状況の中でこれまでの行政水準を維持し、さらに少子高齢化、生活環境の改善など多様化する行政課題に対応するために合併をと協議してきましたが住民投票の結果を尊重し合併を断念。平成一七年二月に財政危機対策指針を策定し取組を進めていましたが、国からの「三位一体の改革」をはじめとする市への財源のカットとともに平成一七年三月の「地方公共団体における行政改革の推進のための新たな指針」(総務省事務次官通知)により新しい視点に立って不断に行政改革に取り組み、その体制を刷新していくことが求められ、市として平成一八年三月に「財政危機対策指針改定版集中改革プラン」を策定し、財政の健全化に取り組んでいるところです。しかしながら、市のみならず団塊の世代の退職がはじまるなど市税の税収も見込めないまま、国において新型交付税制度などの制度改正を行うなど、今後の新たな行政課題に対応していくためまずは財政構造の強化、一般会計の一刻も早い健全化が急務です。加えて夕張市の財政破綻をうけ、国は平成一九年「地方公共団体の財政の健全化に関する法律」を可決させ、一般会計のみならず特別会計等も連結した財政の健全化を計る仕組みを確立し、その健全指標をクリアできない団体にたいしては、健全化計画・再生計画の策定の義務づけとともに議会の議決を経なければならないとしています。それにより、現行の指針に基づく各項目について、当初の財政効果が得られていないものの再見直し、未着手項目の拡充を行い、一般会計の早期健全化、国民健康保険事業の健全化をふくめた早期健全化団体等適用防止計画を策定し全庁一丸となって取り組んでいくと説明しました。
[人件費の見直し]
○市長退職手当、地域手当の見直し
○職員給料、住宅手当の見直し
○人員配置の適正化
職員定数を一三九七人から一〇六八人へ
[事務事業の見直し]
○公共下水道事業にたいする一般会 計よりの繰り出しの見直し
○ごみ処理手数料の有料化
○公民館・保育所・母子生活支援施 設・幼稚園・小中学校のあり方を 検討
○児童クラブの保育料徴収
○退職手当債発行の返済増
○鎌倉峡キャンプ場の見直し
○緑化事業への企業協賛
○ESCО事業の導入の検討
○本庁南側駐車場の有料化
[未利用地等市有財産の活用]
○旧土小・藤田中跡地売却
○西郷通り公社保有地
○旧勤労青少年ホーム用地
○高瀬町遺贈地 など
[職員退職手当の平準化]
○職員退職手当債の活用一九年二〇 年二一年で五一億円の借金
[国民健康保険事業]
○減免の見直しで保険料増収
○口座振替の推進
○差し押さえ等滞納処分の強化
○短期保険者証・資格証明書の活用
○コールセンターへの催促委託の検討
○特別徴収の実施○徴収強化
○国民健康保険事業にたいする一般会計からの繰り出し二億円
以上の対策により国保会計で一七億三九八二万円の効果を、一般会計で五五億八二六八万四千円の効果を見込んでいます。
西口市長の守口市の財政に対する言い分は、「財政再建」(昨年九月市長選時)→「財政健全化計画」(一二月)→「財政健全化プラン」(一二月)→「早期健全化団体防止計画」(二月)と二転三転しており、今のところ自治体財政健全化法の基準をクリアすることだけが目的のものとなりました。ここには、事務事業の見直しなどいわゆる「スクラップ」部分は述べられているものの、市長が選挙の時に述べた小中学校・公共施設の耐震化をはじめとする「ビルド」部分は見受けられません。この「防止計画」により、守口市がどんな街になるのか、市長が述べている「元気で明るい守口」につながるのかどうか、さらなる説明が求められます。