[2016.9.12] -[インフォメーション・新守口・新着情報]
平成27年度の守口市各会計の決算が確定しました。
9月議会に提案され、決算特別委員会で審査され認定、不認定の結論が出されますが、議会の意思決定は決算そのものの効力には影響しません。
実質収支は19億円の黒字
27年度の一般会計の収支は歳入が629億5千万円で、歳出は608億2千万円ですから、単純差引21億3千万円の黒字です。ただ幾つかの事業が翌年度に繰り越されたため、繰り越し財源が2億2千万円となり、実質収支は約19億円となります。
日本共産党市議団は、かねてから守口市の財政は団塊の世代の退職金さえ手当できれば、赤字再建団体に転落するような財政力ではないと指摘してきました。
守口市の財政力は、普通の行政を進めていれば、豊かではないけれども困窮するようなことはないのです。
借金残高は標準財政規模の約2倍613億円に
平成19年に新聞等で大々的に取り上げられ第2の夕張といわれた守口市の「財政危機」も、市民サービスカットと団塊の世代の退職債発行でなんとか乗り切り、以後は順調に単年度黒字を続けてきました。退職手当債は、建設事業債等とは異なり、資産を形成しませんから「赤字起債」の一種です。赤字再建団体転落を回避するためにやむを得ず市債を発行して急場を乗り切ったのです(平成20年から22年まで合計48億9千万円)。
退職手当債を発行するために他の起債を制限し、市債残高(借金残高)は460億円から480億円で抑制してきました。
ところが西端市長になってから、口では財政は厳しいと言いながら途方もないカネづかいの荒い行政を進めてきました。
平成27年度決算では、形式上19億円の黒字ですが、借金の金額が異様に膨れ上がっています。
平成23年、西端氏が市長に就任した時の借金の残高は473億円でした。それが昨年(27年度)は613億円と5年間でなんと140億円も増やしてしまったのです。
とうとう守口市の標準財政規模310億円の約2倍もの借金残高になってしまいました。
西端市長就任からの借金額と借金残高の推移 |
単位 百万円 |
|
平成23年 |
平成24年 |
平成25年 |
平成26年 |
平成27年 |
地方債 |
地方債残高 |
47309 |
50352 |
53210 |
58835 |
61343 |
新規発行額 |
3408 |
7882 |
7724 |
10158 |
7150 |
標準財政規模に対する比率 |
160.0% |
168.7% |
177.4% |
193.3% |
197.3% |
求められるのは財政規律
平成27年度決算によれば借金返済のうち元金46億円4千万円、利子が7億円となっています。返済総額は53億円。ところがこの年、借金した金額は71億5千万円ですから、借金残高は増え続けていくことになります。(借換債を除く)
借金=地方債は地方財政上は歳入として扱われ、世代間の負担の公平上必要な部分はあります。建設事業債は資産を形成する上で必要不可欠のものでもあります。
しかし、借金が歳入として扱われることが当然になって麻痺したり、依存体質になってしまう恐れが横たわっています。借金はあくまでも借金であり、当座は現金の必要がないだけで、やがては利子を付けて返済しなければなりません。つまり市民にとっては後年度の負担になるのです。
それだけに市債発行、借金をすることに、慎重の上にも慎重を期すこと、=財政規律の確保が求められます。借りれるから借りるという安易な財政運営は、未来の市民に負担を押し付けることになるからです。