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  • こんにちは。守口市会議員団です。

    2007年9月議会市長所信表明に対する代表質問(2007.10.15)

    [2007.10.23] -[議会報告]

    日本共産党守口市会議員団
    真崎 求

     私は、先に述べられた市長による所信表明演説、並びに市長の政治姿勢およびその資質について日本共産党守口市会議員団を代表し、質問を行います。

     今年は憲法施行60周年の記念すべき年に当たります。よく、現在の憲法の三大原則と言われますが、わが党はそれに加え、地方自治と議会制民主主義も戦前の帝国憲法には見られなかった戦後の民主的原則であると考えています。しかるに現在の地方自治、地方自治体をめぐる情勢は、社会保障やゴミ問題、教育環境など行政需要の増大の一方で、小泉内閣以来の「三位一体改革」の影響を受け、全体的な地方財源不足と、地方経済の影響を反映し、東京とその他の地方との格差が拡大する一途となっています。特に今年は定率減税全廃のあおりで本市では個人市民税の15億円近い増収を見込んでいますが、一方で地方交付税が昨年比で約7億5000万円の減額となるなど、政府の地方への支出は減らされ、住民へは大きな負担となりました。

     7月の参議院選挙では、こうした貧困と格差の拡大が市長が先日まで所属していた政権政党=自民党の歴史的大敗につながりました。

     いま大事なことは、憲法に明記された国民の基本的人権と地方自治を守る自治体運営、それを財政的裏付けの点でも応援する中央政府の姿勢にあるということを最初に申し述べ、質問に移らせていただきます。

     西口市長におかれましては、このたび新しく市長に就任されたわけですから、当然、将来の守口市像について自らの思うところを率直にお述べになるものと期待をしておりましたが、その点についてはまったく触れられませんでした。所信表明では「誇りの持てる守口」と述べ、選挙中は「夢と希望の持てる元気で明るい『ガッツある守口』を築」くとか、きわめて抽象的なスローガンを掲げておられましたが、その具体的な守口とはどのような守口であるのか、キチンと説明することが必要ではないでしょうか。

     市長あなたは、昨年9月の大阪府議会で次のように述べておられます。「財政再建や産業の活性化ばかりに目を向け、府民に理解と協力を訴えかけるだけでは、だれ一人振り向きもしないのではないでしょうか。行財政改革を乗り越えた後に何があるのか、その先にある新しい大阪を示し、そして新しい大阪を創造することによって、今こそ府民に夢と希望を与えることができるのであります。」と。市長、今こそ、あなたのその言葉を守口市にあてはめることが必要なのではないでしょうか。

     また、具体的な個々の問題については後ほど質問の中で述べていきますが、所信表明全般についても目新しい点はほとんど見受けられませんでした。少なくとも、あなたが訴えてきた「新生守口」、そしてあなたが当選したときに支援者の方々が、口々に言われた「生まれ変わった守口」について、どこをどのように新しく生まれ変わらせるのか、どこがどのように生まれ変わったのか、そのことについて説明しなければならないし、説明する義務があると考えますが市長のお考えをお聞かせいただきたいと思います。

     次に財政問題についてであります。あなたが所信表明で述べた内容は、市民に訴えてきた内容とは、ずいぶん後退しています。

     市民には守口市が夕張市のようにならないように財政再建をすることが大事だと、あたかも守口市が財政再建団体へ転落するかのような発言を繰り返してこられました。あなたの後援会幹部はあなたの激励会で、相手候補のことに触れ、 「相手候補は財政再建を今の市長と相談しながら継続してやるといっている。お年を召した、最大の財政破綻を招いた人に何を相談するのか」と、批判されました。また、あなたの確認団体である「元気で明るい守口をつくる会」のチラシでは「守口市がえらいことになっとるで。このままではアカン」と主張していました。すなわち、あなたも、あなたの陣営の方も、あたかも守口市と議会が今まで「財政健全化」について何もせずに放置していたかのような主張を行ってきました。ところが、所信表明では一転して「平成17年には市独自の『財政危機対策指針』を策定され、‥(中略)‥財政の健全化に向け鋭意取り組まれていることにつきましては私も存じ上げているところでございます。」と、財政危機対策を評価しています。いったいどちらがあなたの真意なのか測りかねています。

     しかし、あなたは平成22年までに実質収支を黒字に転化すると明言されておられますから、これまでの「財政危機対策指針」とは違った「財政再建策」をお持ちのことと存じます。現在行っています「財政危機対策指針」を策定するに当たっては、市理事者と議会と侃々諤々の議論を交わしてきました。議会の中では各会間でも議論をしてきました。もちろん我々、日本共産党守口市会議員団は、退職債の発行や、特別会計、企業会計への繰り出し金の縮減など、市民サービス削減を極力抑えた独自の財政健全化案も提示して、市民に痛みを押し付けない計画で行うべきだと主張してきました。いずれにしても、そうした議論を経て、市民に急激な痛みを押し付けないように最大の配慮を行い、市民と市職員との合意を得ながら市民の理解と協力を求めていくことを前提にして行われているものです。

     そこでお尋ねをしますが、なぜあなたはあなたが考えている「財政再建策」を提示しないのでしょうか。あなたは財政再建が最大の課題であると市民に訴えてきたのではなかったのですか。あなたが持っている「財政再建策」には、市民の生活が見えているでしょうか。市民と議会と職員の合意という観点は入っていますか。あなたのお考えをあわせてお答えください。

     もう一つの質問は、現在の地方財政が危機的状況に立ち至っている要因をどのようにお考えになっているのか、ということです。

     あなたの応援に駆けつけてこられた国会議員の方は「国に頼らないのが真の地方分権だ。国に頼らず財政再建が出来るのが西口さんだ」と、守口市駅前で演説しておられました。とんでもありません。今の国の財政そのものが、地方に頼り、地方の独自財源を取り上げているのが実態であります。もともと地方交付税は、地方の独自財源であり、そのことは法律にも明記されています。その地方交付税を勝手に削減し、配分方法を変更したりしながら地方に負担を押し付けているのが、今の国のやり方であります。

     また、法律で決まっていた全国的な事業の国庫負担金を、法律を変えてまで削減し、地方の負担を増やしたのは国の責任であります。あなたもご存じのように、今年度の地方交付税は新型交付税の導入などの理由により、昨年度実績より7億5000万円も削減されてしまっています。そして今後は特別交付税、国民健康保険特別交付金のうちの特別分、いわゆる特々交付金が決定されていきますが、これも削減が予想されます。

     そこでお尋ねしますが、あなたは、国の政策と地方財政はまったく無縁とのお考えをお持ちなのかどうか。国の地方財政削減に反対の態度を取れるのかどうか。今年度の地方への特別交付税や特々交付金の削減を阻止できるのかどうか。以上3点についてお答えいただきたいと思います。

     次に、教育問題についてであります。

     市長は、子どもたちが健やかに成長できる教育環境の整備が急務であるとして、「教育委員会の活性化を図る」と、しておられますが、そのため「教育委員会への新たな人材の登用、組織体制の確立に努め」ると、しています。

     この文言では、教育委員会そのもののことを述べておられるのか、事務局のことを述べておられるのか良くわかりません。あなたは、社団法人守口門真青年会議所が主催した公開討論会の中で、教育委員会へ民間から登用すると述べられましたが、今まで守口市では教育委員会委員について公務員を横滑りで登用したことは、ごくまれでしかありません。ほとんどの方が民間からの登用であります。あなたの言う「民間からの登用」とはいったい何を指しておられるのかお答えいただきたい。

     さらに、教育委員会のたぶん事務局組織体制のことであろうとの推測で質問しますが、合議体である教育委員会の権限である事務局組織の変更をあなたの判断だけで行おうというのでしょうか。現在の組織のいったいどこに、どのような問題が生じているというのか、そのことを明らかにしないまま組織体制の確立といっても理解できるものではありません。今の組織体制では子どもたちが健やかに成長できる教育環境の弊害になっているのか、どういう組織の確立をめざしているのか明快にお答えをいただきたいと思います。

     また、学校環境の整備について所信表明での「学校施設の老朽化…について計画的に実施する」というのは日本語的におかしいのではないかと思いますが、多分、老朽化の改修のことであろうと判断して進めます。あなたは、公開討論会で「100ほどある校舎に今年度は3つしかやっていない」と、現在の耐震化事業の進捗をきびしく批判されていました。

     現在、守口市では一般財源の確保の状況を勘案しながら、耐震化とあわせて老朽化した施設の改修工事を進めています。耐震化しなければ補助金がつかないからです。補助事業の前提が耐震化ということですから、いくら守口市が自主的に耐震化・老朽施設の改善を積極的に計画しても補助事業として採択されなければ実施できません。そういう事実を承知された上で市長は耐震化・老朽化施設の改修を積極的な計画で実施すると打ち出されているとすれば、補助事業として採択されなくても、つまり、単独事業ででも進めていくという方針をお持ちなのでしょうか。そういうことであれば、一般財源と起債で実施するという決意があるのでしょうか。しかも起債は縁故債ということになりますから、縁故債の引き受け先も既に心当たりがあるのでしょうか。お答えをいただきたいと思います。

     学校のクーラーの設置についても公開討論会では言及していたようですが、所信表明から抜けています。あなたは、クーラーの設置について15年くらいのリースでやればどうかと提案していましたが、クーラーについては必要性を認識しておられるようです。普通、消耗品としては5年のリースしか認められていませんが、15年のリースというからには学校施設の付属施設としてお考えのようですから立派なものになると考えます。いつからそのリースを始めていかれるのかお答えください。

     つづいて地域の活性化と地域協同の項目についてです。

     所信表明では2つに分けて述べておられますが分けた理由がわかりません。行政と地域の関係については一体のものでありますからあわせて質問いたします。

     一つ目には「地域」の捉え方であります。「地域力」とか、「行政と地域の連携」とか「地域分権」とか述べられていますが、「地域」とは、いったい何を指しておられるのかさっぱり解かりません。守口市の住民を地域ごとの諸団体の一員として捉えられているのか、それとも一人一人を「個」として捉えられているのか、ここは重要なところです。地域ごとに抱えている諸問題とそれを解決する自らの取り組みの提案を受けて行政が支援する地域分権とは、結局、地域の諸団体を地方公共団体である守口市の下請け機関としての位置づけであるとしか感じられません。あなたが選挙中に訴えていた「中学校区単位の生活地域活動づくり」に符合するのでしょうが、その地域づくり、地域分権のために市民税の1%の予算を地域の提案にそった事業に当てるというのは、地域間の競争と反目を生み、守口市全体としての団結を阻害することにつながるのではないでしょうか。また、地域ボスを生み出す可能性も否定できません。すべての市民が地域の諸団体に加入しているわけではありません。また、加入していても積極的に活動に参加しているわけでもありません。守口市内の諸団体は地域別に区分された団体だけでもありません。要求やニーズによっても団体が構成されていることもあります。一概に「地域」と括ってしまうのには大いに疑問があります。

     私はむしろ、市民は「個」として捉える必要があると考えます。すべての市民は個人として尊重されるべきだからです。市民一人一人が、市民として行政に参画することこそ必要ではないでしょうか。地域諸団体を守口市の下請け機関のようにして地域のことを丸投げし行政は側面から支援するにとどめるというのは本来の地方公共団体のあり方ではありません。市長の見解を伺います。

     2つ目には、企業の地域貢献についても何をめざしているのか、具体的な施策が重要であります。所信表明だけではさっぱりわかりません。大阪府が行っている「地域貢献企業バンク」の受け売りをやろうとでも言うのでしょうか。もっと具体的に丁寧に説明していただきたい。

     3つ目には、市長と市民の直接対話についてであります。今年度から行っている「ふれあい講座」の普及促進を行うとしていますが、あなたは公開討論会では「その職員に独居老人宅を回るようにする」と、述べておられましたが、所信表明からは欠落しています。なぜ欠落したのか。一人の職員に2つの任務を同時に行わせるということは無理があると判断されたのか、それとも別の理由があるのかお答えをいただきたいと思います。

     また、市長は自ら「地域に赴き、市民の皆さんと直接対話を交わす」としておられますが、どういう市民との対話を想定されているのでしょうか。地域諸団体との対話なのでしょうか、それとも市民すべてを対象とされているのでしょうか、具体的にお示しいただきたいと思います。

     つづいて、人づくり、街づくりについてであります。

     企業誘致について取り組んでいくと述べていますが、具体的にはどのようなお考えなのでしょうか。この文言の前に土地の高度利用を図るため、都市計画等の見直しを図るという文言がありますが、どうもこれらは一体のものであるといわなければなりません。なぜなら、公開討論会であなたは、けんぺい率、容積率を国・府と相談して緩和する。工場とか建物を拡大してもらい、固定資産税が高くなるが、旧固定資産税のまま優遇するという意味のことを述べておられたからです。

     まず、これら建築制限の緩和についてはむやみやたらにできるものではありません。考えられるものには、都市計画法にもとづく、地区計画の決定による方法ですが、この制度は、地区の特性に応じて、道路、公園などの地区施設や建築物等の整備、土地利用についての計画を地区住民の意向を反映しながら都市計画に定め、これに沿って開発や建築行為を規制誘導することにより、良好な環境の街区を整備し、保全を図るもので、低・未利用地などにおいては、再開発等促進区をあわせて定め、公共施設や建築物などに関する良好な開発プロジェクトを一体的・総合的に誘導することにより、適性かつ合理的な土地利用への転換を円滑に推進するもので、一般的には1ha、最低0.5ha以上の計画決定区域が必要で、守口市にあてはめるには無理があると考えられます。

     次に考えられるのは、建築基準法第68条の各号に基づく各種の地区計画による各種の特例制度です。しかし、説明は省略しますが、これもそう簡単にできるものではありません。

     その他考えられる手法としては、総合設計制度がありますが、この制度は、都市計画で定められた制限に対して、建築基準法で特例的に緩和を認める制度の一つで、公開空地の確保により市街地環境の整備改善に資する計画を評価し、容積率、高さ制限、斜線制限などを緩和するもので、もともと、市街地では建築物が密集し、公共的な空間に乏しいことから、建築物の周囲に一定の公開空地(一般の通行者が自由に利用できる空間)を確保するという目的で、1970年に創設された制度で、建築基準法第59条の2に規定されています。具体的にどういう条件でどこまで緩和を認めるかは、それぞれの許可権限を持つ特定行政庁で基準を定めており、守口市でもすでにその事例はあります。しかし、それでも近隣の街並みとの調整・調和が必要であなたが考えているように飛躍的に緩和できるものではありません。もともと、地区計画や総合設計制度については良好な街並みを確保し維持することが目的であり、企業誘致や企業優遇のために建築制限を緩和するというのは都市計画の邪道であるといわなければなりません。

     一体、市長はどのような手法で建築制限の緩和をされようというのか、それで良好な街並みを確保維持することができるのでしょうか。また、国・府と相談するといわれますが、何を相談するというのですか。お答えください。

     土地の高度利用を図るため、都市計画の見直しも述べておられますが、現在の守口市の都市計画のどこに問題があるのでしょうか。現在の守口市都市計画は都市計画マスタープン(守口市の都市計画に関する基本的な方針)に基づいて決定されているものです。また、そのマスタープランは守口市総合計画に基づいて作成されているものなのです。したがって、都市計画の見直しを行うためには総合基本計画の策定が最優先されるものなのです。ところが、市長、あなたは守口市総合計画について一言も触れておられません。守口市総合計画についてはいつから着手されるのかお尋ねします。

     また、「建築制限を緩和し、工場や建物を拡張してもらい、しかし、固定資産税は拡張する前の税額にする」と、いうに至っては「何をかいわんや」と言わなければなりません。税の公平性というものをどのように考えておられるのか。企業誘致するために税の軽減、減免というのは他市でも行っていますが、課税標準や税額そのものを軽減・減免するということは聞いたことがありません。市町村長は固定資産税における固定資産(土地、家屋及び償却資産)の価格の決定に当たっては、固定資産評価基準によらなければならないからです。固定資産評価基準は、市町村間の評価の統一均衡化を図るために発したもので、法的拘束力を有しているとされています。したがって、守口市だけが課税標準や税額の軽減・減免を行えば、地方税法上重大な問題が生じると考えますが、市長の見解を伺います。
     
     つぎに、経営感覚と民間委託についてお伺いします。

     あなたは人件費の歳出比率の縮減を断行しますと市民に訴えられてきました。公開討論会の場でも、現在の人件費率37.5%を33%を目標に下げていくと説明されました。ですから数字的に見れば、普通会計での経常経費に占める人件費率であると判断しますが、職員の給与については今年度から国の強制的な指導で給与構造改革が実行されましたが、当然そのことはご存知あると思います。総人件費の抑制と述べられていますから、給与等の削減ではなく公務員数の削減のことであろうかと考えます。公務員は地方公務員法によって解雇することができません。人件費率縮減について民間でできるものはどんどん民間に任せていくとあわせて説明されていますが、むやみやたらに強行すれば委託料だけが増加し、かえって財政悪化を招くことになります。そもそも、少なくとも守口市では、人件費率を縮減することだけを目的に民間委託を行うという、乱暴なことをやったことはありません。民間に委託あるいは移行すれば市民サービスが向上する、もしくは変わらないということが大前提でありました。あなたは、ただ単に人件費率縮減のためだけに民間委託を推進するというお考えなのでしょうか。
     
     あなたは事あるごとに「経営感覚」という言葉を好んでお使いになります。公よりも民間のほうが優れているとのお考えなのでしょうか。

     現在の日本企業のあり方を見れば、市民の財産や生命、プライバシーを公平、公正に守り、管理するという公の事務を手放しで安心して任せることはできません。原材料を偽る食品会社、賞味期限をねつ造した菓子会社、発火の恐れがあるとわかっていながら10年以上も欠陥扇風機を作り続けた電機メーカー、偽装請負、サービス残業野放しの自動車など製造業界。もちろん、行政にも逸脱や誤りが皆無ではありませんが、市民の代表である議会を通じて事務が監視され、また公の財産を管理するからこそ、一人一人の職員に守秘義務や刑法の受託収賄などの罰則規定がある地方自治体と、営利を目的とした民間企業とでは、費用だけで優劣を決めることはできません。

     結局、フリーターやアルバイトなど非正規雇用で人件費を安くして労働者を使っているのが民間であるとの結論であります。公が行っているのは、市民に直接責任を負わなければならない仕事です。学校や幼稚園、保育所や公民館、上下水道やゴミ収集など人が直接人として市民にサービスを提供する仕事ですから、人が人として雇用され、人が人として尊重されていなければ誇りを持って市民サービスができなくなってしまいます。もともと守口市という地方公共団体は営利企業として利益を出す仕組みにはなっていません。市民から頂いた大切な税金や使用料などを利益を出さずにすべて市民に還元するということが地方自治体の本来のあり方です。あなたは経営感覚で守口市を運営し、地方自治体に利益を求めようというのでしょうか。お答えください。

     次に、あなたがいわゆるマニュフェストビラでの「6つの約束」の冒頭に掲げていた市長の任期を3期12年とする問題について質問します。

     今回の所信表明ではひと言もこの件については触れられていません。何か考えがあるのでしょうか。「権力は10年もすれば腐ります」と述べ、「人事権を握られているので首長に意見をいえない部下、業界との関係」と、しています。これはいったい何を指しているのでしょうか。守口市の職員は、人事での報復を恐れて首長に意見をいえなかったのでしょうか。20年間つづいた前市長はどんな業界との関係があったのでしょうか。私どもは、前市長時代も野党として対峙してきましたが、私どもの目から見ても、守口市の職員はその圧倒的多数が市長にこびへつらうようなまねはしていなかったと確信しています。

     また、業界との関係で言えば、特別職の一部が疑惑に満ちた行動を行ったことはあったようです。例えばつい最近では、保育所民営化の最初の時には、応募している団体の影のオーナーと「選考委員会」で決定する前に頻繁に会っていたことなどです。しかし、前市長は私どもにとって政策的には批判の対象でありましたが、業界との関係で言えば私の知る限り皆無であったと認識しています。

     あなたは「10年で権力は腐る」としながら、12年までは任期を認めると、まったく矛盾していることを公約しています。
    もともと、市長の任期は、条例等で制限するものではなく、自らの意思と、市民の判断にゆだねられるべきものです。
    あなたの真意をお聞かせください。

     次に市長の退職金50%削減の問題です。

     あなたは、いわゆるマニュフェストビラでは、市長の退職金を50%カットしますと、人件費をこれまで以上に抑制し、財政健全化に取り組む姿勢を明らかにするため、今期の市長自ら律して退職金を50%カットしますとその理由を述べています。一方、8月19日、あなたの事務所開きの後行われた、あるローカル新聞社のインタビューでは、「市長の特別退職手当を、これを50%削減することをお約束します。」と答えています。市長の退職手当には実は2種類あります。普通退職手当と、特別退職手当です。これはホームページにも公開されている例規集を見れば誰でも簡単に知ることができます。特別退職手当の50%削減だけでは合計すると退職金総額での50%カットにはなりません。あなたの言う退職金の50%カットとは、特別退職手当のことか、退職金総額の50%のカットのことか、よく理解できません。明快にお答えください。

     最後にあなたの市長としての資質について伺います。

     市長というのは執行機関の長であると同時に地方公共団体の長であります。それだけに権限も大きければ責任も大きいものがあります。14万8千人の守口市民の代表でありますから、市民の規範とも模範ともなることが求められています。

     9月10日朝、私は守口市役所前の掲示場の公告を見てびっくりしました。「守口市選挙管理委員会告示第62号」は、守口市長選挙において当選人と決定した者の住所及び氏名を告示したものでありますが、市長、あなたの住所は守口市滝井元町1丁目4番13号になっていました。あなたは高瀬町5丁目5番1号に住んでいるのではなかったのですか。先ほどの河北新聞のインタビューでも「以前は中古のマンションに住んでいましたが、5年前に自宅を建てました。しかし、土地を買う資金がなくて、現在は土地を借りて住んでいます。」と、答えています。

     選挙中、あなたは、もしくはあなたの陣営の方は、相手候補に対して「どこの誰かわからない人」と悪罵を投げつけました。間違いなく守口市民の一人である方に対してあまりにひどい暴言だと思いますが、私はそっくりそのままあなたにお返ししなければなりません。当選人である滝井元町1丁目に住所を置く西口勇氏と、高瀬町5丁目に住んでいる西口勇氏とが本当に同一人物であるのでしょうか。そうであるならば、きちんと証拠を示してご説明願いたい。

     また、高瀬町5丁目5番1号の家屋のある土地、あなたにとっては借地でありますが、本来農地法では農地を農地以外に転用してはならないとされています。農地を、農地以外に転用する場合には手続きが必要で、農業委員会への届け出が必要なのです。

     ところが、あなたが借地している土地は、その届け出がされていませんし、法務局への登記の地目は「田」ということになっています。つまり、あなたの居宅は「田」の上に建設されているのです。もちろん、農地転用届は土地所有者の責任において行われなければならないものですが、借地契約時には、あなたは大阪府議会議員として公職にあり、土地の地目については当然調査しておられるでしょうからそのことを知らないはずはありません。

     農地法に違反している状態を公人であるあなたはいつまでも放置することは許されません。市長名で土地所有者を指導されるのか、それとも、借地人として土地所有者に農地転用の届け、地目変更をお願いするのか、あなたの考えをおたずねするものです。

     以上、市長の所信表明等に対する質問を行ってまいりましたが、どうか誠実なご答弁をいただきますようお願いいたします。なお、答弁内容によっては再質問の権利を保留しておくことを申し添えておきます。