こんにちは。守口市会議員団です。
[2007.10.9] -[新守口]
9月28日、守口市議会9月定例会本会議が開催されました。注目されるのは、9月に初当選した西口勇市長の所信表明です。
市長ははじめに、「我が国の経済情勢は、緩やかとはいえ拡大傾向を持続する一方で、人口減少や産業構造の変化などから、現在『格差問題』が全国的に懸念をされております。」と格差問題に言及しています。年金が目減りし医療費が払えない、高すぎる保険料や介護料に生活が脅かされる、失業や倒産、派遣労働増加による不安定生活者の急増など、市民の暮らしは深刻さを増しています。特に守口市の国保料の高さは全国的にも有名で、先月にはNHKの特集番組で放映されたほどです。しかし、市民の切実な暮らしに目を向けたものとは、かけ離れています。大きな問題点は、子ども・高齢者・障害者等、社会的弱者への福祉的な施策には、一切触れていないということです。国民健康保険や介護保険など、市民の暮らしに大きく係る施策にも触れていません。行政の最高責任者として、社会的弱者への福祉施策をどのようにするのかというのは、きわめて重要な問題です。その問題に触れようとしないのは、行政の大切な役割に目を向けていない姿勢の表れであり、今後の対応が不安です。
また、西口市長は、「私自身、これまで培ってまいりました経営感覚を最大限に活かしつつ、行政自らが取り組むべき努力は勿論のこと、公・民の役割分担等の観点からの事務事業の更なる見直しを行い、慣習・既成概念にとらわれることのない思い切った改革を推し進め、簡素で効率的な行政システムの構築に努めていく」と、さらなる民間への行政の仕事の投げ出しを、もくろんでいます。しかし、記憶に新しいところでも、行政の仕事を民間へ移行させた中で、たとえば、姉歯建築士が行った耐震偽装事件や、コムスンの介護事業における補助金不正受給の問題などが起こり、利用者等様々な人が被害をこうむっています。守口市でも、先に民間移管された橋波保育所で補助金の不正受給を日本共産党から議会で指摘され、補助金が返還されるなどの事件も起こっています。行政をつかさどるものにとって、『民間万能論』のような考え方は、ふさわしくありません。
さらに、所信表明は、全体的に突っ込んだ部分はなく、具体性に欠けるものとなっています。あえて具体的なものをあげるなら、教育では「小中学校の校庭の芝生化をモデル校において試行する」「『(仮称)市民成人大学』の創設」、地域の活性化では、「『(仮称)守口市地域貢献企業登録制度』を創設」、人づくり・街づくりでは、「歴史マップの作成」「『守口大根』を本市の名産品として育てる」、安心・安全なまちづくりでは、「『一戸一灯運動』の展開」、地域協働では、「『ふれあい講座』の普及促進」などであり、特に目新しいものはありません。
最後に、「地域協働」のなかで、「私自身が地域に赴き、市民の皆さんと直接対話を交わす中で、守口市の進むべき将来のまちづくりをより確かなものとし市民の皆さんとともに『郷土守ロ・新生守口』の発展に向け、全力を傾けてまいる決意でございます。」とあり、市長自らがどのように市民の声を聞く機会をもち、どのような声を施策に反映させていくのか、注目されるところです。
(なお、所信表明全文は、党市会議員団のホームページに掲載しております。)