新型コロナ感染対策にテレワークを推進しているときに
1千万円かけてつくった桜町オフィス閉鎖~迷走続ける守口市
[2020.5.2] -[インフォメーション・新守口・新着情報]
守口市が委託した児童クラブの事業者
13人の指導員を雇止めの暴挙
(株)共立メンテナンスに市民の憤りの声が
守口市が児童クラブ(学童保育)を民間営利企業に委託して1年間が過ぎました。
請負事業者である株式会社共立メンテナンスは、3月末に13名の学童保育支援員に対し雇止めとすることを通知してきました。
守口市は、学童保育の質はマンパワー、つまり人によって決まるが、民間委託しても市直営の時の指導員を民間業者が雇用して運営するので学童保育の質はそのまま継続されると、説明していました。「もりぐち児童クラブ事業入会児童室プロポーザル選定委員会」の会議録を見ても、選定委員は現行の(直営時代の)指導員が引き続き雇用されるのかという点について選考にあたっての考え方の基本の一つにしていました。
例えば平成30年7月5日のプレゼンテーションを受けて、最終的に優先交渉者を選定するにあたり、「ちょっとひっかかったのは、現指導員の採用については明確に書かれていなかった」「40点ほどの採点が現指導員の採用もしくは人が確保できるか人が途切れないかという話」「皆さん現給保証だとか言ってましたけど、書面上で見ると■社さんだけすごく低いんですよ」「これから今の方(現指導員)と転籍とかの話をするときに体制がまだ固まっていないんじゃないか…というのが、すごく不安にもなって」「私も書類上でもあれは困るなと」「■社だけ支援員賃金がすごく低い…今の方(現指導員)と話をするときにすごくもめてしまうんじゃないか」等々…選定委員は指導員の雇用についての発言が多くありました。
民間委託する事業者選定の選定委員会でも守口市直営の指導員の引き続く雇用というのは事業者選定の前提とともいうべき位置づけが行われていたのです。
共立メンテナンスはプレゼンテーションの中で「支援員等の人材確保及び資格等に関する件につきまして、まずは基本的な方針としまして、現在業務に従事されている支援員の皆様で、弊社への転籍を御希望いただける方々は全員受け入れをさせていただきます。この方針の基本といたしまして、現在の支援員の皆様には安心して転籍いただけるように会社説明会を開き、給与・就業内容等の雇用条件を明確に示し、また個人面談を行って、さまざまな御意見や御要望の聞き取りを行い、その上で御納得いただきたいと考えております。
具体的な給与の内容としては現給保障をお約束いたします。また契約社員に関しましては平均年収を330万円とさせていただきたく考えております。」と、現行指導員の継続雇用を強く打ち出して選定委員の高い評価を得たのです。
わずか1年で、継続雇用の約束を破って指導員の雇止めを強行する共立メンテナンスに市民と学童保護者の憤りの声が上がっています。
[2020.5.1] -[インフォメーション・新守口・新着情報・議会報告]
学童保育の民間委託1年が経過
保護者と守口市・事業者と守口市の約束は守られているか?
守口市の学童保育(児童クラブ)が民間委託されて1年が過ぎようとしています。
民間委託に際して守口市と事業者が結んだ契約書(仕様書や特記仕様書含む)はきちんと実行されているか検証が必要です。日本共産党の杉本議員は2月議会の質問で、順守されていないことを明らかにしました。
・ある小学校では正規の支援員、それも責任者の不在が数カ月続き、責任者不在のまま進められていた。
・児童クラブのクラブ室内では、おやつ代など一切のお金の収受・保管はしないとなっているのに、支援員に保護者からの入金の受け取りをさせている。
・児童にとって適切な環境となるよう、支援員対象のアンケートの実施も明記されているが実施されていない。
・保護者に対してのアンケートは、保護者の意見が反映されにくく、記入もしにくい、守口市が直接民間委託されての評価を把握できるアンケート実施してほしいと保護者から守口市へ要望されている。
・支援員への賃金の遅配という事態が起きている。これは、社会的責任のある企業としてのモラルにかけているもの。
守口市は、民間委託についての保護者説明で「委託後も民間事業者に任せきりには決してせず、チェック体制を働かせながら巡回していくという中で、優れた民間事業者に委託したいと考えています。また、チェック体制として定期的及び随時に巡回します」と述べていましたが、それならなぜ契約違反を見過ごしていたのでしょうか。
また、守口市は、現在の指導パートナーを残してほしいという保護者の要望に「民間事業者に雇用してもらえる仕組み作りが大切になります。…このように指導パートナーが引き続き残れる仕組み作りを考えていきます。」と、市直営時の指導パートナーを、引き続き民間事業者で雇用できる仕組みを作ると約束していましたが、どのような仕組みを作ったのか、1年後の今、そのことが検証されます。
守口市の借金残高626億円
一人あたり43万6千円は大阪府内第4位の高額
大阪府内31市の平成30年度決算がそれぞれ公表されています。
守口市は府内31市の中で、どのような位置にあるのか、他市の状況と比べると守口市の課題はどこにあるのかが、決算統計から見えてきます。
守口市が、現在の西端市長になったのが、平成23年度決算からです。
それまで歴代市長は、守口市の借金残高について500億円を一つの目安にしていました。守口市の財政規模がほぼ300億円ですから、2倍の600億円にいかないために500億円前後までということでした。
ところが西端市長が就任すると堰を切ったように借金を重ねました。「財政健全化」とか「歳入の範囲で歳出を組む」と、「財政改革」を言いながらその施策は借金頼みの放漫経営に終始したのです。
地方債残高というのは借金残高のことです。平成30年度は住民1人あたり額は、平成31年1月1日現在の住民基本台帳人口、平成22年度は平成23年1月1日現在の自由民基本台帳人口を用いて計算しています。
トップの泉佐野市は、平成20年度決算で連結実質赤字比率と将来負担比率が基準を超えたため、財政健全化団体となりました。そこで、平成21年度から平成24年度にかけて財政再建に取り組んだ結果、平成25年度決算で財政健全化団体から脱却しました。平成22年度から平成30年度決算では一人あたり16万7千円も借金を減らしました。
一方、守口市はこの8年間で10万円以上も借金残高が増えています。豊中市民の2倍以上の借金を守口市民は背負わされているのです。
後世にツケを回さない責任ある財政運営こそ求められています。
大気汚染防止法改正案 通常国会で審議・成立の方向
アスベストレベル3対策規制強化が盛り込まれる予定
2019年10月21日、環境省の中央環境審議会大気・騒音振動部会に設置されている石綿飛散防止小委員会において、「今後の石綿飛散防止の在り方について(答申案)」が発表されました。
建屋等に相当量使用され、吸い込むと健康障害を招くアスベスト(石綿)対策の大幅強化を求める内容です。
今後、パブリックコメントを経て答申として確定後、答申を踏まえた改正大気汚染防止法案がまとめられ、今年の通常国会に提出される見通しです。
これまでは、レベル3について大気汚染防止法では、施工者に対するアスベスト含有建材の使用状況に関する事前調査を義務付けているものの、相対的に飛散性は低いので、届出義務は無く、作業基準順守の対象にも含まれていませんでした。しかしながら、除去作業時の取扱いが不適切な場合にはアスベストが飛散する可能性があるとの指摘が出されています。
そこで、今回の答申案では、レベル3対策も規制強化の項目に掲げるに至ったのです。
具体的には、答申案において「建材の種類、除去工法及び工事の規模にかかわらず、基本的に全ての工事を大防法上の特定建築材料に係る規制の枠組みの対象とするべきである」と明記されました。つまり、レベル3のアスベストが含まれていれば、大気汚染防止法の規制対象に位置付けることを基本としたのです。
レベル3:発じん性が比較的低い
建材の種類
レベル1やレベル2に該当しない、成形板等の石綿含有建材です。割れにくい建材なので注意をして取り外しを行えば、飛散のリスクは低いといえます。
使用個所
建築物の屋根材や外壁材、建築物の天井・壁・床などに内装材として使われる石綿含有成形板、ビニール床タイルなどです。
レベル2:発じん性が高い
建材の種類
石綿含有保温材や耐火被覆材、断熱材です。壁や天井にこびりついているわけではない上に、シート状に巻き付けられているため、レベル1に比べると飛散性は下がりますが、危険であることには代わりがないため高い注意が必要です。
レベル1:発じん性が著しく高い
建材の種類
石綿含有吹き付け材です。建築物に、アスベストとセメントを混合した状態で吹き付けられており、固まると綿のような状態になります。アスベストの濃度が非常に高く、撤去する際に大量に粉末が周囲に飛散します。
[2020.1.5] -[新着情報]
2020年日本共産党守口新春のつどい
日時 2020年1月11日(土)
12時スタート
清水 ただし衆議院議員の参加を要請しています。
[2019.11.22] -[インフォメーション・新守口・新着情報]
小規模保育園から認定こども園への入園は市の責任
連携園と小規模保育園へ丸投げの利用調整は児童福祉法違反
守口市は法と通知に基づき責任ある利用調整をすべき
平成27年4月から内閣府の子ども子育て支援新制度が始まり、保育の形態が変わってきました。待機児の多い0~2歳児保育する施設が、認可を受ければ小規模保育園(定数は1施設19人まで)として、国から補助を受けられる施設になりました。3歳児以上は保育できないので3歳から入園する保育所や認定こども園と連携しなければなりません。
その連携園ですが、守口では、小規模保育園がこの5年間で、6か所~24ヶ所へと増えました。今年民間保育所が3カ所でき、3歳児から保育する施設は27ヶ所から30ヶ所に増えましたが、それでも地域的な偏りもあり、小規模保育園の2歳児が全員希望する施設に入れるとは限りません。
例えば、連携しているこども園が受け入れ可能人数2名の所へ、小規模園から4名希望という場合には、入園を決めるのは本来自治体の責任です。
児童福祉法
第二十四条 (前略) 児童の保育に欠けるところがある場合において、保護者から申込みがあつたときは、それらの児童を保育所において保育しなければならない。(後略)
2 略
3 市町村は、一の保育所について、当該保育所への入所を希望する旨を記載した前項の申込書に係る児童のすべてが入所する場合には当該保育所における適切な保育の実施が困難となることその他のやむを得ない事由がある場合においては、当該保育所に入所する児童を公正な方法で選考することができる。
4 略
5 略
ところが守口市は、当該の連携する小規模保育園と認定こども園等の間で、入園(利用)調整をさせるのです。今年春の入園に向けては昨年秋に保護者同士がくじを引いて決めたということも起こりました。
11月5日に衆議院第一議員会館において行われた全国保育団体連絡会など4団体が事務局を構成する「よりよい保育を! 実行委員会」と内閣府や厚労省との省庁懇談の場で、大阪保育運動連絡会(大保連)からの参加者が、「守口市における小規模保育園と認定こども園の連携入園について、連携する施設間で利用調整をさせていることについて、厚労省の見解を聞かせてください。私たちは、利用調整は自治体がするものと認識しているのですが、」と尋ねたところ、厚労省子ども家庭局保育課職員は「正しくないですね。」と答えました。
厚労省も正しくないと答える「連携園に丸投げの利用調整」は、保護者からの行政不服申請に耐えられないもので、守口市の責任が問われます。
○児童福祉法に基づく保育所等の利用調整の取扱いについて(通知)
平成27年2月3日
厚生労働省雇用均等・児童家庭局長通知
法第24条第3項に基づき、当分の間、すべての市町村は、保育の必要性の認定を受けた子どもが、保育所、認定こども園、法第24条第2項に規定する家庭的保育事業等を利用するに当たり、利用調整を行った上で、各施設・事業者に対して利用の要請を行うこととされている。今般、その取扱いをお示しすることとしたので、貴管内の関係者に対して、これを周知し、その運用に遺漏なきよう御配意願いたい。
(略)
(ii)連携施設に係る利用調整の取扱いについて
連携施設に係る利用調整については、「子ども・子育て支援法に基づく支給認定等並びに特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業者の確認に係る留意事項等について」を踏まえ、家庭的保育事業等の卒園後、連携施設の利用を希望する場合については、これを優先利用の対象とすることとする。
その上で、当該連携施設については、利用定員数から当該連携に基づき受け入れる家庭的保育事業等の卒園児の数を除いて利用調整を行うこととする。
ただし、連携施設が、連携に基づく家庭的保育事業等の卒園後の受入数を設定することは、もとより連携施設に通う0~2歳児の継続的利用を妨げるものではないことに留意すること。
なお、連携施設は、連携に基づく家庭的保育児業等の卒園後の受入数を設定することが求められるが、保護者の希望等に応じて、卒園後、連携施設以外の保育の受け皿を利用することも可能である。
その際は、利用調整を行う市町村において、調整に当たっての優先度を上げるなど、3歳以降のスムーズな利用を結びつけるための措置を講ずることも考えられる。
平成27年4月から内閣府の子ども子育て支援新制度が始まるに際して、厚生労働省から利用調整は市町村の責任で行うようにとの通知が出されていました。連携園については、より具体的に、連携園以外のところへ調整するに当たっては優先度をあげる措置をとることも考えてスムーズな利用を求めているのです。
連携園と小規模保育園任せで利用調整をする守口市のやり方は、児童福祉法の精神にも反し、厚生労働省の示す方向にも逆行しています。
[2017.3.24] -[インフォメーション・新着情報・議会報告]
私は議案第29号 平成29年度守口市一般会計予算案に反対の討論を行います。
地方公共団体の事務・事業は計画的に行われる必要があり、かつ、歳入される範囲内で行うべきものです。
そこで地方自治法は、①地方公共団体の事務・事業の執行計画、②その執行に要する経費の財源調達計画、③経費の支出計画の「三つ」が一体となった計画、すなわち「予算」を作成して、これに従って地方公共団体の事務・事業の執行及びこれに伴う経費の支出を行うべきものとしています。
さて、本市の予算を見るとき、重大な問題があることを指摘しなければなりません。
最初に、財産収入として、八雲中1丁目市有地、梶第一団地Cブロック跡地、第4中学校跡地などの土地売却代金13億6千万円が計上されていることについてであります。
守口市には「立地適正化計画」というものがあります。平成28年度中には都市施設誘導区域が指定されますが、いずれの土地もその区域の範囲内にあります。
市長は、私どもの代表質問での未利用地の活用について「今後の活用の見込み等を充分に庁内議論を行」っていると答弁しましたが、守口市重要資産処分等に関する連絡会で都市施設誘導について発言したのは都市整備部長ただ一人でした。総務担当部長に至っては「ここに制限をかけるようなコンセプトは今はない」とまで言い切っているのです。
ただ、この議論も第4中学校跡地に関してだけで、八雲中1丁目市有地、梶第一団地Cブロック跡地に至っては都市施設誘導区域については何の議論もされておらず、すべてにわたって売却が前提の議論になっています。守口市所有の土地を利用しての都市施設の誘導などはみじんも議論されず、ただ売却だけが確認されています。
まず、検討しなければならないのは、「計画」に基づき、当該地域にどのような都市施設が足りないのか、誘導すべき都市施設は何か、そのために当該土地をどのように利用すべきかということですが一言も議論されていません。
市民の大切な税金で取得した市民の財産が、この程度の議論で、「十分な議論を行」ったとして売却が決定されたかと思うと腹立たしさを通り越して呆れてしまいます。
また、時系列に見ていけば、この土地の売却が、歳入欠陥を補うためのものであることもわかります。八雲中1丁目と梶第一団地Cブロックについての議論は、1月12日、第4中学校跡地についての議論は2月2日であります。
予算編成がほぼ終わりを告げる頃です。
歳出が順次確定して、歳出に見合う財源を探すことが必要になり、慌てて重要資産処分等に関する連絡会を開催したことが見て取れます。
29年度は大幅な財政支出が見込まれます。就学前教育・保育の無償化です。歳入不足1億6千5百万円、保育料負担額5億1千万円合計6億7千5百万円の財源が必要になります。
第4中学校跡地売却は補助金適正化法の関係で学校施設整備基金に積み立てしなければなりませんから一般財源としては使えません。そこで、その分を差し引くと、八雲中1丁目市有地、梶第一団地Cブロック跡地、旧寺方団地跡地(第8期)、寺方元町4丁目市有地の売却で7億1千2百万円の財源が生まれるのです。
これで何とか歳入歳出のバランスを保っているのが平成29年度の予算の実態です。
通常、市民税などの公法上の収入は残らず予算計上され、私法上の収入、とりわけ財産売り払い収入はほぼ確定しているもののみを計上し、売却後に補正、あるいは決算で調停するという方法がとられます。
しかしそれでは歳入欠陥を生じますので、財産売り払い収入を当初予算に計上されたものと推察されます。
「歳入の範囲内で歳出を組むという原則を貫く予算編成を徹底する」という「改訂版改革ビジョン案」はその出発から大きく踏み外して、まさに羊頭狗肉、市民にパンと偽って石を与えるものになっているものであり認められません。
次に、29年度は新たに、総合窓口の民間委託、ごみ収集の委託が行われる予算が計上されています。
「官から民へ」という市長の掛け声に従って行われています。
かつて、徳川幕府から政権を奪取した、いわゆる「薩長土肥」を中心とした明治政府は、国民を統治する機構として太政官という巨大な官僚機構をつくり上げました。その太政官という「官」が日本の統治機構として、現在まで連綿とつづいているといわれています。
「官から民へ」というのはその統治機構を「巨大な官僚機構から国民の手へ」というのであれば大義名分も立ちます。
しかし、守口市の民間委託はそのような大層な理念はなく、単に「公から私へ」という程度にしかすぎません。すなわち公の仕事を一私企業へ手渡し、税金を私企業のために使うというのでしかないのです。
総合窓口の当初予算ベースで比較すればそのことがよくわかります。
平成28年度の人員は正規職員23人、再任用短時間職員6名、臨時職員13名で、人件費合計は2億4千41万7千円でした。平成29年度予算では正規職員19名のみの配置で、人件費合計は1億7千89万4千円です。
したがって6千9百52万3千円の抑制効果があります。しかし、民間業者に委託しますから、その費用が必要です。必要なおカネ、委託料は8千4百7万2千円ですから、1千4百万円の持ち出しになります。
民間委託しても財政効果はなく、ないどころか、かえって負担が増額するのです。ごみの収集業務に至っては人件費はほとんど変わりませんから、委託料だけが増額することになっています。
ましてや戸籍事務には職員しかできない行政処分という大きな壁があり、全国でも民間への委託は躊躇している分野で、その必要性が疑問視されています。
「官から民へ」という言葉だけが踊って、その中身は、市民が汗水たらして働いて収めた市民の大切な税金、公のカネが、私企業である、民間業者の利益のために使われるもの、といっても決して過言ではありません。
このような民間委託は認められません。
次に、コミュニティ拠点施設であります。
平成26年3 月に「守口市地域コミュニティ拠点施設基本計画」が発表され、パブリックコメントを経て、以後この計画に沿ってコミュニティ拠点施設を整備していくとしていました。
ところが、計画に従って、まともに新築と決定されたのは、曲がりなりにも、東部エリアコミュニティ拠点施設のみで、残る2館は既存施設のリノベーションによる再利用ということになっています。
「基本プラン面積表・各室概要や地域特性や地域住民のニーズに対応して、各室の規模・形状を変更し、トレーニングルーム、スタジオ、展示室などを確保することが考えられる」などは絵に描いた餅にすぎません。
看板倒れ、入り口は大変立派だったが、中に入ってみると急ごしらえのにわかづくりで、全く期待はずれだったというのが実感です。
東部エリアコミュニティ拠点施設の建築金額の増額も看過できません。12億4千万円の請負金額が、地中障害物撤去などで、2億6千万円新たな工事を余儀なくされた上に、さらに、3千3百万円の増額です。
このような費用は、建築計画当初にきちんと体制をとり、要所、要所での監督・検査を行っていれば不要になったはずのものであり、認められません。
道路休憩施設がある駅前交通広場の都市計画道路を400㎡変更するということも重大な問題です。
守口市駅前再開発については守口市も特別の臨時組織をつくり、議会も特別委員会をつくって文字通り全市を挙げて取り組んできた経緯があります。
詳細は省きますが、議論に議論を重ね、現在の都市計画が決定されたのです。その都市計画を簡単に変更しようとしていることに大きな疑問を持ちます。
本来、都市計画を変更しようとするのであれば、社会情勢、駅前の人の流れや賑わい、自然環境、交通環境、景観などの変化を科学的に調査し、将来の京阪守口市駅前の在り方を展望したうえで、駅前全体の都市計画の変更を決定しなければなりません。
道路休憩施設の上に屋根を付けるために都市計画のほんの一部を変更するというのは、苦労に苦労を重ねて守口市駅前再開発に取り組出来られた先人に対する冒瀆以外の何物でもありません。およそ都市計画に携わるものであれば断じてできるものではないはずです。
「にぎわい創設」に名を借り、道路上に建築物を建設できないという理由で、都市計画道路を便宜的に変更するというのは認めることができません。
ましてや、先に予算を通しておいて、そのあとで都市計画の専門家会議である守口市都市計画審議会に諮るというのは、審議会委員さえも冒瀆していることにほかなりません。手順前後であり認められません。
就学前教育・保育の無償化が4月から始まりますが、当然申し込みが増えるのは予測できたはずです。小規模保育所などの増設を民間園に依頼しているわけですから入所児童も増えることになるのは当然です。
そうなれば必要なのは保育士です。他市でも競って国の公定価格の上乗せ以上に保育士の処遇改善を行っているのです。公定価格の上乗せは4月1日現在の保育士に限定されていますから、途中の増減には対応していません。
で、あるにもかかわらず市の単独での保育士の処遇改善は後退しています。公定価格の上乗せは他市ではそれが前提で、さらなる処遇改善を行っているのであり、前年度水準を維持しているというのは詭弁にも等しいものであり認められません。
最後に、大枝公園の再整備と都市計画道路、豊秀松月線の拡幅であります。
守口市の起債残高は670億円を超える予算となっています。また、公債費比率は、予算ベースでの推計で、29年度は、20%を超えます。
公債費は人件費や扶助費などと同じく義務的な経費ですので、財政構造の硬直化の要因となり、一般的には10%を超えないことが望ましいとされています。
臨時財政対策債か、建設事業債か、地方交付税に算入されるかどうかの議論ではなく、公債費、借金返済が60億円を超えるという事実です。
にもかかわらず、地方債に依存する大型の事業を進めることは、適正な財政運営とはいえません。ましてや豊秀松月線の拡幅は昭和47年に都市計画決定されたものであり、駅前広場が当時と状況が変わったというのなら、この計画決定はもっと古いものであり、当時の決定のまま、ここだけ促進するというのはダブルスタンダードであります。
市役所も変わり、市民会館も取り壊され、次の建設計画さえ具体化されないというこの事実はこの都市計画道路の事業が時代遅れになっていることを証明しています。
当初計画ベースで、大枝公園の再整備に総額27億9千万円、松月豊秀線整備事業に20億8千万円、社会資本整備交付金対象事業とは言え、本市の財政状況からみれば大きな負担となることはだれの目にも明らかです。
今このような事業を行うことは認められません。
以上反対の主な理由を述べてまいりました。
議員として、最も重視しなければならないのは議案審査であります。市長が提案した議案を唯々諾々と賛成するのでは議会の存在意義が失われます。
与党か野党かという区別ではなく、議会の肝は、議案審査であり、すなわち執行権に対する監視機能であります。市長の施策の過ぎたるを正し、足らざるを補う、監視と提案こそが議会の議会たるゆえんであります。
特に当初予算は1年間の市民生活を左右する大切な議会であり、審査であります。
今まで述べてきましたように、平成29年度予算は多くの問題点をはらんでいます。なにとぞ議員各位におかれましては、私どもの反対討論にご賛同いただきますようお願いしまして、討論を終わります。
私は、議案第21号 守口市生計援助資金貸付基金条例を廃止する条例案に 反対の討論をいたします。
昭和45年に公益質屋に変わる生計援助の制度として、貸付制度ができて47年間の間、貸付ゼロの年はなく、ここ数年10件台にまで減少していましたが、昨年度平成27年度と今年度28年度は急激に増えています。貸付理由は、医療費支払いや、休業等による給料減少、引越費用、冠婚葬祭などで、昨年今年ともに40件以上の貸し出しがされています。
この条例を廃止する理由に、28年度から社会福祉協議会の緊急小口資金貸付制度が始まったことをあげていますが、この社協の緊急小口貸付制度は今年度4月から1月までの10か月間で、37件相談を受けて貸付にまで至ったのは11件という厳しさです。 貸付理由は初回給料までのつなぎが8件で、大半を占め生計援助資金貸付とは理由も異なり、また貸付が決まるまでにも2,3週間要ることや、返済期間も12カ月と短く生計援助資金貸付とは制度その物が異なります。
くらしの困難から市民を守る最後のセーフティネットとして、こういう貸付制度は、市民の暮らし を守る自治体として最低限守り続ける制度です。以上反対討論とします。