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    建物の無償譲渡は現状のままで、建替え新築は移管先が行う慣例を破り 高額な費用で新築し無償譲渡の南寺方集会所、漂う行政の不公平感

    [2022.8.22] -[新守口議会報告]

     守口市の令和4年度予算が賛成多数で可決しましたが、日本共産党は杉本議員の反対討論の中でいくつかの問題点を指摘しました。3つ目は、行政の不公平と私物化の疑いについてです。
     地域の自治会や町会が所有する「地域集会所」があります。その多くは一定の広さの公園等の守口市の土地を無償で貸与してもらい、地域の市民の寄付や積立金、そして、「地域コミュニティ振興施設助成要綱に基づく守口市からの助成金を受けて建設されています。(土地を民間から賃借している場合や建物を賃借している場合は、賃借料の要綱の指定の金額が毎年助成されます)
     また昭和39年、46年、49年に守口市によって建設された集会所が6施設あります。(所有は守口市)この施設は無償で自治会に貸しています。
     令和4年度予算では、このうちの一つの施設である南寺方集会所の移転による新築のための予算6千1百34万円が計上されています。

     これはもともと、令和2年3月に南地域コミュニティ協議会など6団体から「旧南小学校跡地の一部をコミュニティ活動の場として活用いただきたい」等の要望が出され、旧南小学校の一部、旧体育倉庫を集会所として利用する予定であったものが、解体工事に支障をきたすことが判明したことで、旧体育倉庫を撤去したうえで集会所を建設するということになったものです。
     守口市の所有する地域集会所はいずれも建築年度が古く耐震補強がされていません。計画的な建替え、もしくは耐震補強が求められていますが、議会委員会の答弁では、他の5つの施設は計画がなく、南寺方集会所だけが新築の予定であり、しかも、新築した後、地域に所有権を無償で移管するということが明らかになりました。
     守口市はこれまで市が所有する建築物を無償譲渡する場合、現状のままとしています。わざわざ新築して譲渡したことはありません。例えば、保育所の民営化でも、土地は無償貸与、建物は無償譲渡し、移管された法人が自らの資金で建替え・新築を行っています。ましてや、守口市が所有する6つの「地域集会所」の施設以外は地域住民が寄付等で資金をつくって建設していますから、本来は、建物を無償譲渡し、地域の住民の資金と市の助成金で建設すべきものです。建物そのものも、4千8百万円と高額です。他の施設では、「要綱」は市の助成金を工事費の3分の1、限度額は300万円としているように、新築価格は1千万円前後、高くても2千万円までです。高額な費用で新築した建物を無償で譲渡するのは、他の地域と比べてあまりにも不公平であるとのそしりは免れません。
     また、「南寺方は市長の地元中の地元だから優遇したのではないか」との噂がありますが、それが事実ならば行政の私物化であるとも指摘しなければなりません。
     もともと地域の要望は集会所を新築してほしいというものではありませんでした。(左図参照)旧南小学校の一部(具体的には旧倉庫室)を活用するなど再整備を検討してほしいというものでした。
     その要望を受けて守口市で検討した結果、4月22日に「旧体育倉庫の残存が教室棟等解体工事に支障を及ぼすことが明らかとなったので、旧体育倉庫は撤去する」「その上で、残存させる旧南小学校跡地に新築することとし、新集会所完成後には南寺方集会所を移転させることについて地元との協議調整を開始する」となったのです。そして唐突に「市の方針に基づき移転させること、旧体育倉庫を市の事情により撤去することから、新集会所の整備について公費で新築し、設置後は地元に移管・管理運営を委ねる予定」と付け加えました。
     いつの間に移転が市の方針になったのか不思議なことに最も大切なその説明がされていません。活用してほしい旧体育倉庫が活用できなくなっただけのことであり、守口市としては地域に「使えません」と回答すればすむ話です。
     旧体育室の残存が工事に影響を及ぼすとしていますが、実際は体育室を残すと杭が16本抜くことができないというだけです。その部分は公園として整備する予定で、建築物を整備するわけでもないので、杭が残っていたとしても公園整備にそれほど影響が出るものではありません。地域からの倉庫室を活用してほしいという要望を口実に、地域集会所の新築にひた走る守口市の姿がくっきりと浮かび上がります。
     公平で公正な市政こそが今求められています。

    新守口No.2557 2022.5.29 日本共産党、にぎわい交流施設最適配置事業構想に対案!

    [2022.8.22] -[インフォメーション新守口議会報告]

    日本共産党、にぎわい交流施設最適配置事業構想に対案!
    体育館は現地で長寿命化改修・文化センターは図書館との複合施設に

     守口市にぎわい交流施設最適配置基本構想の問題点については二回にわたって指摘してきました。
     日本共産党は、巨額な投資を避け、且つ上位計画と矛盾せず市民要求実現に向けた具体的な提案を行っています。
     もともと、ホール機能を持つ建物の建設は、多くの市民の反対の声とりわけ、市議会で採択された守口市市民会館の閉館延期についての請願」(2万624Ⅰ名)を無視して平成26年に閉館を強行したことにより、早急な対応を求められていたものです。
     今年二月に守口市にぎわい交流施設最適配置基本構想(素案)が議会に提示されたときに、各会派の意見を求められたため、日本共産党の考えを提示しました。
     多くの他の会派も意見を提示しています。その内容は情報公開によって明らかにされ、令和3年度分の綴りの中にあり、市役所2階の情報コーナーでだれでも閲覧できるようになっています。
     以下、日本共産党の意見と具体的な提案の概要をお知らせします。

     ホール機能のある建物については、旧市民会館跡地とする。
     旧市民会館跡地は「守口都市核周辺における将来都市ビジョン」において、「新都市生活創出ゾーン」と位置づけ、市の中心部として、様々な世代や対象に向け、守口のこれからの新しいライフスタイルを創出していくための機能導入を充実させていく」ゾーンであり、新旧市役所、守口警察署、守口郵便局や新築予定の守口消防署など国道一号線に沿った地域を指定しています。
     まさに、公共施設が密集しつつ、大阪メトロ谷町線・守口駅の利便性を生かした様々な世代の新しい都市生活を創出する地域です。新しいホールはこの場所をおいてありません。メリットは、「ビジョン」の位置づけにふさわしく守口市の中心部として公共施設群とともにその一端を担えるもので、さらに、大阪市の中心部である梅田から大阪メトロで直接つながっており、交通の利便性が最も高いものです。
     ただし、この土地は守口消防署に土地を売却したことで、ホール建設敷地が2000㎡になっていることです。これは文化センターとほぼ同じ敷地であるため、観客席が500席ほどに限定されます。そこで敷地面積が狭小の場合のホール建設の方法である、観客席を二重構造にして席数を800席に増やすことによって解決できます。
     ここは、商業地域で建蔽率80%、容積率400%であるから用途地域の変更も必要ありません。そこで、新築するホールは、5~6階建てとし、市民活動のための部屋、貸室などを設置します
     市民体育館は改修工事で長寿命化を図る
     にぎわい交流施設最適配置調査業務委託報告書には、指定管理者の意見として「空調などの老朽化が課題」「トイレも和式が多い」「小体育室や武道室に空調がない」「現在の大体育室は適正規模「立地条件は駅前がよい」「外構などはもう少し狭くてもよい。他の用途に転用してほしい」などが、列記されています。このことは、現在の場所での体育館が最適であるということを表しているものです。ただ、約35年が経過し、施設の老朽化があり、且つ設備が古くなった上に、ユニバーサルデザインに難があるということが課題として挙げられています。

     そこで、体育館は基本的に長寿命化のための改修工事を行うこととし、加えて、エレベーターの改修、エスカレーターの設置、段差の解消などを行い、大阪府の福祉のまちづくり条例に適合した建物とします。また、全館空調として公益財団法人日本体育協会の熱中症予防運動指針に適合したものにします。
     京阪守口市駅前という最高の立地条件があるのに、わざわざ移転して、都市計画の基本である用途地域を変更してまで、住宅が建ち並ぶ中に建設する必要性は全くありません。
     守口市立文化センターは改修して図書館との複合施設に
     文化センターについては、守口市の玄関口にある再開発に伴う施設であることを考慮して、長寿命化・改修工事を行い、市立図書館との複合施設にします。ホール機能はそのままにしておき市民の利用に供します。
     駅前開再発時の議論を惹起すべき
     守口市の玄関口である京阪守口市駅南側は、昭和61年に再開発が行われました。この再開発をめぐって守口市議会は、都市開発特別委員会を設置し、再開発の理念が「商業開発」か「社会開発」と侃々諤々の議論が理事者も巻き込んで行われました。その結果、商業施設はできるだけ少なくし、公共施設や老人福祉施設、宿泊施設に重きを置くことによる「社会開発」になった経緯があります。
     文化センターは「社会開発」のシンボルとして建設されました。取り壊して商業施設にするというのは当時の市長部局・議会、市民の議論をないがしろにする行為です。
     日本共産党はこれらの提案を直ちに実行するのではなく、守口市の財政状況をよく勘案し、市民の理解を得ながら進めていくという立場です。

    IR・万博のための工事で、夢洲の野鳥が生命の危機に これで「EXPO for SDGs」を掲げる大阪万博と言えるのか

    [2022.8.22] -[インフォメーション新守口]

     夢洲の埋め立てが始まったのは1977年です。大阪湾に生息していた鳥たちが居場所を求めて、飛来するようになりました。夢洲は、南港野鳥園(同市住之江区)と共に「大阪府レッドリスト2014」で日本固有種を含め希少な野生動植物が生息・生育し、生物多様性の保全に特に重要な場所として「生物多様性ホットスポット」に選定されています。環境省が絶滅危惧種に指定しているカモメ科の渡り鳥・コアジサシが飛来・営巣するほか、今年度は府のレッドリストで「絶滅」と判定されている水草・カワツルモの生息が確認されています。
     今、2025年開催予定の大阪万博に向け、アクセス交通の整備が進められ、メインのアクセス交通として建設中なのが、大阪メトロ中央線のコスモスクエア駅と夢洲駅(仮称)を結ぶ地下鉄新線です。工事によって鳥たちが生息する湿地はどんどん減少し、生命の危機に追い込まれています。
     維新の会の松井大阪市長は「夢洲はそもそも、大阪の未来都市として埋め立てをスタートした。野鳥のために埋め立て地を作ったわけではない。縄張りみたいなものもあるらしいから“出て行ってほしい”とは言わない。大きなお金を投入して開発してきたから、野鳥の皆さんの理解をいただきたい」。生命の危機に瀕している野鳥たちに何を理解しろというのでしょう。
    ※SDGsとは世界中にある環境問題・差別・貧困・人権問題といった課題を、世界のみんなで2030年までに解決していこう」という計画・目標のこと

     

    新守口No.2556 2022.5.22 にぎわい交流施設最適配置事業概算で総額140億円!

    [2022.6.7] -[インフォメーション新守口議会報告]

    にぎわい交流施設最適配置事業概算で総額140億円!
     PFIでも守口市直接工事でも負担するのは市民の税金

     守口市にぎわい交流施設最適配置基本構想のパブリックコメントを募集するホームページでは「守口市では、『守口都市核周辺における将来都市ビジョン』や『守口市立地適正化計画』において、京阪守口市駅前周辺を本市における都市核の一つと位置づけ、賑わいや交流を創出するため、ホール機能の誘導を図っていくこととしています。
     この間、新たな用地取得に多大な財政負担が生じないことを前提としつつ、守口市民会館(さつきホール)の代替的機能も併せ持つ新たなホールと、体育館の整備に向けた最適な配置のあり方、そして現在の守口文化センター敷地の将来の活用方法等について検討を行い、「守口市にぎわい交流施設最適配置基本構想」を策定しました。」と説明しています。
     キーワードは「ホール機能の誘導」と、ホームページにある「基本構想(素案)」7ページの整備費用の概算で示されている内容です。つまり、守口市は主体となって行うのではなく、民間業者が体育館やホール機能を持つ建物を建設することを期待しているのです。そして、ホール機能を持つ建物には商業施設との複合型にし、寺方小学校跡地には体育館と駐車場の残地を民間に活用させ、それぞれ地代(利用料金)を徴収するというものです。

     粗い概算で解体費用や建設費など総額140億円かかる事業費は、民間資金を活用するPFI方式で行うことを検討するとしています。しかし、PFIといっても守口市が税金を投資しなくてもいいものでもありませんし、投資額が安くなるものでもありません。
     にぎわい交流施設最適配置調査事業を受託した業者が民間のデベロッパーやゼネコン会社にヒアリングを行っていますがその中で「近年(10年程前から)体育館のPFT事業は予算面で非常に厳しく予定価格に合うことが難しいという状況になっている。体育館は、意匠や設備ではなく、構造の費用がほとんどを占めるため、費用面で工夫できる要素が少ない「ここ5年くらいの入札を見ると、再入札で一者が入るくらいの厳しい予定価格になっている」「体育館のPFIは深刻な状況だ」と答えています。ゼネコンはもっと直接的で「予算はしっかりご用意いただきたい」「(建物の)竣工迄には出来高くらいで清算いただきたい」とまで述べています。
     また、「独立採算は難しい」「サービス対価方式がいい」「興行的な形態は考えられない」「市民主体で収入もさほど期待できるものではない」と、述べ、結局守口市の税金で負担することを求めています。
     通常PFIは事業の類型として3方式があります。(裏面の図参照)
     地方公共団体が民間事業者へお金を支払う形態をサービス購入型といいます。一方、地方公共団体が民間事業者へお金を支払わず、利用者が料金を支払う形態を独立採算型といいます。なお、サービス購入型と独立採算型を合わせた形態(「ミックス型」)もあります。

     デベロッパー事業者からも、ゼネコン会社からも独立採算型、つまり、守口市が負担せずに施設利用者から事業費や管理費を徴収する方法は無理との認識が示されていますから、サービス購入型になるのが予想されます。それは守口市が、建設資金、維持管理費用等を民間事業者が提供するサービスの対価として払うということです。
     内閣府の説明によるとPFIのメリットは
    ①国民に対して、安くて質の良い公共サービスが提供されること
    ②公共サービスの提供における行政の関わり方が改善されること
    ③民間の事業機会を新たに創り、経済の活性化に貢献すること
    と、されています。安くて質の良い公共サービスがなぜ提供できるかと言うと、「性能を満たしていれば細かな手法は問わない、性能発注方式が採用され、効率的なリスクの管理、良好な競争環境の構築などを期待することができる」と、説明しています。手法を選ばず性能だけを追求した結果効率的なリスクの管理ができるだけで、事業費が縮減されるとは一言も言っていません。それどころか、デメリットとして「民間に幅広い業務を任せることになるので、行政がこれまで以上に民間の業務状況を把握して、管理や指導をしなければ、公共サービスの品質の低下を招く可能性があります。」と、守口市が、尚一層管理指導しなければならなくなると言っているのです。
     事業を受託した事業者の報告書でも、従来の守口市が発注する建設工事に比べて、新たに「民間借入による金利負担を含む資金調達コストが発生する」「SPC(共同事業体)設立・運営費が発生する」と余分にコストが発生するとし、支出の平準化では「地方債部分に合わせて、民間資金活用部分の平準化が可能となる」と、従来とほとんど変わりがないと説明しています。
     従来通り守口市が自ら事業を行おうと、PFIを使おうと、概算140億円の事業費は守口市民の税金で負担しなければならないのです。身の丈に合った事業を肝に銘ずべきです。

    施設の規模は縮小、それでも経済効果や売り上げは増える? 国は荒唐無稽な計画でカジノを認可するなの声を

    [2022.6.7] -[インフォメーション新守口]

     

             
      大阪IR基本構想(2019年12月) 区域整備計画(2021年12月)
    IR推進会議   副首都推進本部会議
    投資規模 初期投資 9300億円 1兆8000億円
    収入規模 売り上げ 4800億円/年 5200億円年
    うちカジノ 3800億円/年 4200億円/年
    雇用創出 建設時 7.5万人 11.6万人
    運営 8.8万人/年 9.3万人/年
    経済波及効果  建設時 1兆2400億円 1兆5800億円
    運営 7600億円/年 1兆400億円/年
    IRからの収入見込み額 納付金 570億円/年 740億円/年
    入場料 130億円/年 320億円/年
    税収 150億円 125億円
    来場者数 1500万人/年 2000万人/年
    総延べ面接   100万㎡ 77万㎡
      国際会議場 1万2000人対応 6000人以上収容
      展示場 10万㎡ 3.1万㎡
      宿泊施設 3000室 2500室
             
    ※税額とは  法人税、事業所税、固定資産税、都市計画税等の概算    
    ※インデックス大阪の展示面積は7万㎡    
    ※USJの来場者数は年間1450万人。カジノはその1.4倍の入場者    

    IR基本構想は事業者がIR推進会議に提出したものです。それからわずか2年後の昨年提出された区域整備計画では大幅に施設面での規模が縮小されていました。
     それでも売り上げは増える、大阪府・市に納付する金額は増えると計画しています。僅かにきちんと反映されているのは固定資産税等の減額です。規模が縮小されれば税額は減少するのは当然です。もちろん、経済波及効果も雇用創出も減って当然ですが、増えると強弁しています。こんなでたらめな計画でのIR認可は許せません

    新守口No.2555 2022.5.15 市民体育館を寺方小学校へ移転?

    [2022.6.7] -[インフォメーション新守口議会報告]

    市民体育館を寺方小学校へ移転?住居地域に建設するのは不可
     総合的且つ一体的な観点からの都市計画は街づくりの基本

     守口市の令和4年度予算が賛成多数で可決しましたが、日本共産党は杉本議員の反対討論の中でいくつかの問題点を指摘しました。「にぎわい交流施設整備基本計画」を策定し事業を進めるということについてです。
     この事業は京阪守口市駅前にある市立体育館を解体しその跡にホール機能を持つ施設を建設し、寺方小学校跡地に市民体育館を新たに建設するもので、それに関連して現在の文化センター(エナジーホール)を解体、跡地を民間に委ね、商業施設あるいは住居施設を誘致するというものです。基本構想の粗い試算でも整備費だけで130億円にのぼる巨大な公共事業です。
     
     体育館を寺方小学校跡地に移転するには幾つかの問題がありますが、大きな障害は守口市の都市計画です。寺方小跡地は第2種中高層住居専用地域ですから、建築基準法法の制限で体育館は建設できません。
     敢えて体育館を寺方小跡地に建設しようとすれば手法は3通り考えられます。
    ①特別用途地区による用途の緩和
    ②用途地区を変更した上での特別用途地区による用途の規制
    ③建築基準法第48条のただし書きによる特定行政庁の許可
    による方法のいずれかの手順を踏むことにより、用途地域内の体育館整備を可能とすることができます。
     ①の手法は、建築基準法49条第2項に定めがあり、「用途地域内の一定の地区における当該地区の特性にふさわしい土地利用の増進、環境の保護等の特別の目的の実現を図るため当該用途地域の指定を補完して定める」もので「地方公共団体は、その地区の指定の目的のために必要と認める場合は、国土交通省大臣の承認を得、条例で特別用途地区内の建築物の制限を緩和することができる」ものです。
     ②の手法は「都市の計画的な土地利用を実現するため定められる地域地区の中でも最も根幹をなす制度である用途地域の変更は、都市計画マスタープラン等が見直されるなど、将来のあるべき市街地像の変更が生じ た場合と、土地利用の動向、都市基盤施設等の整備状況等の把握を踏まえた定期的な見直し、いわゆる一斉見直し が基本となっている」もので、最もリスクが高いものです。
     利害関係者による公聴会の開催が必要であり、判例にあるように、体育館建設のために用途地域の一部を変更したとしても訴訟に耐え難いものです。とりわけ、寺方小跡地近辺は住居系の地域であり、その中に忽然と商業系が設定されるとすれば都市計画マスタープランも含めて守口市の街づくり全体が市民の信頼をなくしてしまいます。
     ③の手法は建築基準法48条ただし書きで「特定行政庁が第二種中高層住居専用地域における良好な住居の環境を害するおそれがないと認め、又は公益上やむを得ないと認めて許可した場合においては、この限りでない。」とされている事を利用するもので、文字通り「良好な住居の環境を害するおそれがないと認め、又は公益上やむを得ないと認め」られる場合に特定行政庁によって許可されるものです。この場合特定行政庁とは守口市であり、守口市が守口市に許可するものですから、許可基準というものを明確にする必要があります。そのためには最低でも公聴会の開催、建築審査会の同意というものが必要になります。地方自治体が申請する場合には、一般的には他に必要な土地がないなどやむを得ない場合に限定されています。

    また、消防署や警察署などとの協議調整も必要です。
     ①の手法は国土交通大臣の承認を得て条例で定める。
     ②の手法は国土交通大臣の承認なく条例化できるが変更後も訴訟のリスクを負う。
     ③の手法は公聴会の開催、建築審査会の同意が必要。建築審査会に同意の理由説明責任が発生。
     となり、いずれも容易ではないことが明らかです。
     第6次守口市総合基本計画や令和3年を初年とした都市計画マスタープラン、平成29年3月改定の立地適正化計画など街づくりや土地利用に関する計画では、一言も触れていなかったものが、突然、令和4年主要施策の中に守口市にぎわい交流施設最適配置基本方針(基本構想(素案))として、体育館(アリーナ)を寺方小学校跡地へ移築・新設との方針が打ち出されたものです。
     都市計画という街づくり全体を総合的に勘案したうえで体育館の移築・新築検討することをしていないから、用途地域での土地利用に無理が生じてしまいます。今必要なことは性急に体育館の移設・新設を行うのではなく、それぞれの計画の一体性・整合性をはかり、将来の守口の街づくりを市民とともに考えることです。

     

    参照=都市計画変更決定取り消し訴訟判決「都市計画とは、街づくりを様々な観点から総合的、一体的に検討して成り立っているものであり、総合的、体系的なものである。したがって、都市計画の 内容をなす様々な項目は、全体として見ることによってのみ意味のあるもので あるから、このうち、ある部分のみを他の部分や全体から切り離して、その当 否、適法性を論ずることは無意味であり、かつ、総合的に街づくりを考えようとする都市計画の本質に反する。」

    令和3年度子育て世代臨時特例給付金事業22億円の予算、執行率86% 自動的給付と申請による給付、制度のゆがみからの申請漏れが疑われる

    [2022.6.7] -[インフォメーション新守口]

     「新型コロナウイルス感染症が長期化しその影響が様々な人々に及ぶ中、子育て世帯については、我が国の子どもたちを力強く支援し、その未来を拓く観点から、児童を養育している者の年収が960万円以上の世帯を除き、0歳から高校3年生までの子供たちに1人当たり10万円相当の給付を行う。」(内閣府)として、子育て世代臨時特例給付金事業が行われました。
     守口市では令和3年度補正予算(第7号)で、11億1千6百28万1千円、同補正予算(第9号)で、10億7千8百31万6千円、合計約22億円の予算で対応しました。児童1人当たり10万円の支給は令和3年12月27日から開始するとしていました。
     児童手当は一般の人は市区町村から支給されますが、公務員の場合は勤務先から支給されます。 ところが、子育て世代臨時特例給付金は一般も公務員も、住所地の市町村に申請して市町村から支給されます。児童手当受給者は申請が必要なく自動的に支給されますが、16歳から18歳の児童に関しては申請が必要です。
     児童手当受給者であっても申請が必要なのは公務員です。勤務先から手当が支給されていますから住所地の市区町村にはデータがありません。そこで申請が必要になります。
     今回少なくない自治体で公務員の申請漏れが生まれています。守口市でも例外ではありません。一般的には勤務先の自治体等から児童手当受給者には住所地に特例給付金の受給を申請するように助言するべきものです。
     守口市はホームページ等で知らせていましたが広報もりぐちには掲載していません。また、16歳から18歳のみの世帯には申請書を送付していました。ところが、公務員の世帯には申請書を通知していませんでした。例えば枚方市では申請が必要と思われる全ての人に申請書を発送しています。
     22億円の予算で約3億円の不用額は申請漏れがあったことを示しています。国の制度のゆがみと守口市の広報不足がもたらした申請漏れは救済が求められます。

    令和3年度子育て世代への臨時特例給付金実績見込み
      世帯数 児童数 金額     円
    自動的に支給  (申請不要) 児童手当受給世帯 9,485 16,270 1,627,000,000
    申請必要 児童手当対象外年齢 1,562 1,726 172,600,000
    16歳~18歳
    公務員(守口市にデータがない) 454 787 78,700,000
    合    計 11,501 18,783 1,878,300,000

    新守口No.2554 2022.5.1 借金を返済するのに借金を充てる!悪循環

    [2022.6.7] -[インフォメーション新守口議会報告]

    借金を返済するのに借金を充てる!悪循環の根を絶たなければ
    子どもや孫など、次世代に負の遺産を残してはならない

     守口市の令和4年度予算が賛成多数で可決しましたが、日本共産党は杉本議員の反対討論の中でいくつかの問題点を指摘しました。市の借金問題です。令和4年度も45億円の市債を発行します。そのうち財源不足によるいわゆる赤字起債、臨時財政対策債は8億3千万円です。
     臨時財政対策債は、国の地方財政計画で国と地方の折半対象の財源不足は解消され、国全体で令和4年度は昨年度から3兆6千9百92億円抑制されました。率にして67%抑制されたことになります。もともと、臨時財政対策債はそれまでは国が全額地方交付税として地方に配分していましたが、平成13年度から法定率分等で不足する財源については、特例加算(国)と臨時財政対策債(地方)により国と地方の折半で負担する仕組みを作り地方に押し付けたものです。
     守口市は、臨時財政対策債はその元利償還分を国が地方交付税で負担してくれるので守口市の負担はないと言い続けていました。
     日本共産党守口市議団は、地方交付税で負担するといっても、基準財政需要額に算入されるだけで、全額交付税で国が負担してくれるものではないと指摘してきました。
     令和4年度の予算では日本共産党の指摘が見事に証明されています。
     国と地方の折半対象の財源不足が解消されたのであれば、臨時財政対策債は発行しなくても済みます。ところが国は地方財政計画で「令和4年度は 折半対象財源不足が生じていないことから、以下のとおり財源不足額を補填する」として「③臨時財政対策債の発行(既往債の元利償還金分)」と、述べています。
     つまり、令和4年度の臨時財政対策債は、これまで発行した分の元利償還分に充てるために発行するというのです。
     守口市が説明してきた元利償還分は地方交付税で補填されるというのは覆されてしまいました。借金返済に必要なお金を現金でなく借金で賄うというものです。現在、金利が低いといっても利子はつきます。表を見てもわかるように、毎年の利子の額も大変な金額です。借金返済のために借金をするという悪循環を続けていけば次世代に大変な負担を残すことになります。
     言うまでもなく最大の責任は国にあります。本来地方交付税という現金で地方に交付すべきものを勝手に財源不足は国と地方の折半だとして、地方に借金を押し付けてきたその責任は極めて大きなものがあります。
     守口市も「後ほど交付税で補填される」などと国を庇わず、国の責任を明確にして、地方財政を圧迫する制度の改革目指して市民とともに運動することが必要です。

    臨時財政対策債     単位千円
    年度 発行額 償還額   残額
        元金 利子  
    H13 735,400 0 0 735,400
    H14 1,655,400 0 4,056 2,390,800
    H15 2,823,500 0 16,184 5,214,300
    H16 2,040,400 22,060 45,288 7,232,640
    H17 1,565,800 93,780 76,256 8,704,660
    H18 1,393,600 215,640 103,896 9,882,620
    H19 1,264,300 356,977 128,143 10,789,943
    H20 1,184,200 459,088 143,119 11,515,055
    H21 1,837,800 582,587 170,087 12,770,268
    H22 2,953,000 637,083 189,684 15,086,185
    H23 2,655,300 735,996 203,370 17,005,489
    H24 2,865,300 773,018 215,074 19,097,771
    H25 3,361,300 845,519 224,036 21,613,552
    H26 3,148,500 952,144 222,858 23,809,908
    H27 2,906,900 1,104,027 214,383 25,612,781
    H28 2,296,100 1,897,477 194,600 26,011,404
    H29 2,452,200 1,510,158 165,478 26,953,446
    H30 2,035,029 2,141,935 147,096 26,846,540
    R1 1,938,744 1,799,078 114,382 26,986,206
    R2 1,766,401 1,946,232 92,107 26,806,375
             
    ※決算統計資料より    

    守口学童保育不当解雇事件が大阪地裁で和解 雇止め通知撤回‣原告団の実質的勝利~問われる守口市の姿勢

    [2022.6.7] -[インフォメーション新守口]

     守口市から学童保育運営の委託を受けた㈱共立メンテナンスから指導員9人が雇い止めされたのは無効だとして、地位確認などを求めていた訴訟が大阪地裁で和解しました。地位確認を求めて訴えていた原告側が4月22日記者会見を行い、発表しました。
     守口市学童保育指導員雇止め事件原告団・守口市学童保育指導員労働組合・同弁護団の声明によれば、和解内容は次のとおりです。
     ①共立は、雇止めをめぐり紛争となり、訴訟が係属し、大阪府労委から雇止めを不当労働行為と認める救済命令が確定したことを受け止め、原告らに対する雇止め通知を撤回する。
     ②2020年3月31日限り、原告らと共立の労働契約が会社都合退職により終了したことを確認する。
     ③共立は原告ら及び組合に対し、本件命令に基づき支払った既払額を除き解決金を支払う。
     ④共立は、組合に対し、大阪府労委が命じた文書を手交する。
     ⑤共立と組合は、労働組合法の趣旨に則って団体交渉を行うことを約束する。
     原告団は
    「私たち原告団は、一日も早く子どもたちや保護者のところへ戻って大好きな学童保育指導員の仕事をすることを願ってこの2年間頑張ってきました。それが叶わないことは、どんなに勝利和解の内容だと分かっていても、悔しくて、辛い気持ちでいっぱいです。
     府労委命令が確定して、命令を履行すると言ってきて会社が、裁判では一転して職場復帰を頑なに拒んだ事案でした。
     守口の学童保育に戻りたいという気持ちだけでたたかってきた和解闘争。応援してくださったみなさんに心からのお礼を申し上げます。」
    と、述べています。
     ㈱共立メンテナンスは原告団の記者会見に先立って大阪府が命じた文書を原告団に手交しました。また、雇止めの通知を撤回し、会社都合による労働契約の解消により、2020年3月末日に退職したことになりました。
     さらに、会社側が、雇い止め後に残っていた4年間の委託期間に働いた場合の賃金総額を上回る金額を支払うことになりました。しかし、職場復帰は実現しませんでした。
     労組の委員長は「雇い止め通知撤回の一言があるだけで本当にほっとした。やってきたことは間違っていなかった。学童保育は民間委託になじまず、公的責任で運営されるべきだ。保護者市民とともに守口の学童保育をよくする運動に取り組んでいきます」と述決意を語ります。

    4月22日 勝利和解の記者会見を行う原告団・弁護団 大阪市内

    新守口No.2553 2022.4.24 国保加入者が納めた保険料が溜まりに溜まって21億7千万円

    [2022.6.7] -[インフォメーション新守口議会報告]

    国保加入者が納めた保険料が溜まりに溜まって21億7千万円
    杉本議員、保険料軽減にと追及~市長 基金活用での軽減は考えていない

    守口市議会2月定例会で日本共産党の杉本えつ子議員が令和4年度市長の市政運営方針及び予算案に質問を行いました。国民健康保険についての質問と答弁をお知らせします。

     

     国民健康保険についてお伺いします。

     

     国保会計の今年度末の財政調整基金は21億7千万円にのぼることが判明しています。この基金の原資は、被保険者が払った保険料です。医療給付に係る国や府の補助金・負担金は、多く交付されていれば清算され返還されます。ところが、被保険者が支払った保険料は精算されずに翌年度へ繰り越すかあるいは基金に積立てられます。
     本来、国保会計は不足もせず余りもしないというのが建前です。被保険者が納めた保険料が余って貯金に回すというのはあってはならないことなのです。
     しかもその金額が21億7千万円という膨大な額に膨れ上がってしまっています。
     例えば令和4年度国保の財政運営に責任を持つ大阪府への納付金は、約44億円です。そのうち保険料で納付されるのが35億5千万円ですから、基金の21億5千万円がいかに膨大な金額であるかがわかります。
     被保険者の人数が2万9千3百人と推計されますから、基金全額を保険料軽減に回せば、一人当たり7万5千円が減額されます。
     ただでさえ、高くて払えない、保険料が生活を圧迫すると言われているほどですから、この際、思い切って基金を取り崩し、保険料を引き下げてはどうですか。市長のお考えを聞かせてください。

    答弁
     本市は、平成30年度から大阪府の統一基準に移行しております。統一基準におきましては、保険料の引き下げを目的とした国民健康保険財政調整基金の取崩しは認められていないことから、基金を活用した保険料の引き下げは、本市として考えておりませんが、令和4年度は、国民健康保険財政調整基金を活用し、まずは病気にかからないための疾病予防事業の充実を図つてまいります。

     

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