[2020.11.29] -[インフォメーション・新守口・議会報告]
令和元年度の決算の概要で財政は健全であると守口市
臨時財政対策債(赤字公債)の残高は270億円にも上る!
平成29年度~令和元年度 交付税と臨時財政対策債 単位千円 | |||
平成29年度 | 平成30年度 | 令和元年度 | |
臨時財政対策債 | 2,515,905 | 2,340,162 | 1,938,744 |
普通交付税 | 6,542,499 | 6,642,338 | 6,685,556 |
守口市が公表している「令和元年度決算の概」要では、「地方交付税の代替財源である臨時財政対策債の発行額は、19億3千8百74万円で対前年度比9千6百29万円(4.7%)の減となり、2年連続で発行額は減少しました。」と、臨時財政対策債の発行について述べていますが、なぜ2年連続で減少したのかを書いていません。
まるで、守口市が自らの意思で減額させたかのように錯覚させるように書かれていますが、国が、各地方自治体に示している臨時財政対策債の発行限度額が減少しているのです。守口市は、国の示す限度額いっぱいに借金を行った結果、減少したというだけのことです。自らの意思で減少させたわけでは全くありません。
臨時財政対策債は、地方交付税の代替として平成13年に創設されたもので、建設公債と違い、財源不足を補う「赤字公債」です。
総務省が言うように臨時財政対策債は地方が立て替え払いする地方交付税といった見方もできますが、後年度に地方交付税で措置されるとはいえ、臨時財政対策債の債務を返済するのは、発行体である地方自治体です。
また、その債務の返済額については、基準財政需要額に算入し、交付税として措置すると総務省は言いますが、人口減少によって各行政項目の基準財政需要額が減少すれば、元利償還金相当額を交付税措置したとしても、地方交付税の交付金額は純増することにはなりません。
各自治体の人口減少が深刻化する今、現実味を帯びた問題となっています。「黒字」を出すためだけに借金するのではなく、将来の負担を見据えた財政構造の改革こそが求められています。
「百条委員会」調査報告書が賛成多数で採決
杉本議員は 個別の証明もなく一括りの扱いは粗雑で乱暴と反対
9月30日守口市議会最終日に行われた、「百条委員会」の調査報告書に対する日本共産党の杉本議員の反対討論を2回に分けてお知らせします。
私は、「新型コロナウイルスに係る緊急対策遂行中における市議会特定会派・議員による不適切活動に関する調査特別委員会調査報告」に反対の討論を行います。
証拠に基づき事実が証明されることが大前提
調査特別委員会の結論は何よりも予断や推測を排除し、証拠に基づいて事実を証明したうえで行われなければなりません。
一つの事案が証人による証言が対立した場合、客観的な証拠で事実を解明することが大切です。どちらか一方の言い分だけを取り上げて断定的に決めつけては、公平性・公正性が疑われます。証人の証言が相対立し、客観的事実で証明できないことは正確に「証明できない」と、すべきなのです。
本調査報告書には、一方的な断定が多数散見されます。さらに、被申立人は維新市議団という団体ではなく一人一人の市議個人であるにもかかわらず、一括りに述べられていることはあまりにも粗雑で乱暴なやり方です。
さて、具体的な事案について触れます。
職員を長時間拘束したとされているが事実はどうか
まず、職員に長時間の対応を強いたとされることでは、職員4人も維新市議4人も一括りにして、事情聴取及び面談にかかった時間は6時間を超えるとしているがあまりにも粗雑な叙述です。面談にかかった時間は、村居課長と山城主任は35分、西岡課長は90分、古川室長は80分です。しかも、4月13日、14日の両日について、古川室長は西岡課長から同行を求められて面談の場に行ったものであり、被申立人の責にするのは無理があります。 しかも、村居課長と山城主任の面談の場には土江、梅村両市議はいなかったのです。
4月16日の保健所での話し合いについては、時間は2時間余であり、「事情聴取は4時間にも及んだ」というのは助川部長、田中管理官及び中村副市長との面談を合わせての時間であり長時間というために敢えて混同させているものにすぎません。
村居、山城両氏は2日間で35分、西岡氏は4日間で90分、古川氏は3日間で80分、一日平均18分から28分でしかありません。それを長時間拘束して行政事務を妨害したと言えるのでしょうか。
4月16日の保健所での話し合いについては、西岡、古川両名は職場である守口市役所を出て、大阪府の機関である保健所に出向いています。職務専念義務がありますから、職場を離れる時には上司の許可を受けなければなりません。
助川総務部長は「公務として処理」を、行っていたことを証言しています。したがって公務として出向いた保健所で2時間の時間を費やしたとしても、公務である以上、西田府議と維新市議4名に拘束されたとするには無理があります。
申立書にある「職員への人格攻撃」は確認されなかった
心理的圧迫を与える聴取態様であったとされることについては、申立書には、「保健所から要請を受けたことを忘れると
は、資質を疑うなどと人格非難をした」と、述べていましたが、その事実は、証明できませんでした。申立書で述べられていることが事実として証明できなかったことに敢えて触れていない点も承服できません。申立書の誤りは誤りとして明記すべきです。
また、維新市議が「職員を一方的に非難し」との記述がみられますが、たとえ職員の記憶違いであったとしても、結果的に維新市議の質問に「保健所から要請を受けていない」とか「保健所とは会ってもいない」など「虚偽」の回答している以上、言葉の強弱はあっても維新市議から「非難」されるのは一定やむを得ないものであり、そのことを「一方的」というのはあまりにも偏った判断であると言わざるを得ません。
一人一人についての事実は証明されず、一括りはあまりにも粗雑で乱暴
虚偽の情報を発信したとされることについては、「土江市議の投稿及び被申立人による市民に対する虚偽の情報発信は」とありますが、被申立人とはだれのことで虚偽の情報発信とは具体的に何を指すのか明らかにされていません。
再度繰り返しますが、被申立人は維新市議団という団体ではなく維新市議団に所属する一人一人の議員個人ですから、ひとくくりにするのはあまりにも乱暴で粗雑です。
執拗に感染者を特定しようとしたとされることについては、罰則をもって守秘義務の順守を求められている執行権者側の個人情報の取り扱いがあまりにもずさんであることを明記すべきです。中村副市長及び野口保健所次長が、聞かれもしていないのに感染者の個人情報を漏洩するなど、地方公務員法の規定のある、あるいは準ずる理事者の態度としては極めて不適切であったことを指摘しなければなりません。加えて、市職員4名については守秘義務を堅持し個人情報を漏洩していないことも併せて明記すべきです。
[2020.11.29] -[インフォメーション・新守口・議会報告]
令和元年度の決算の概要で財政は健全であると守口市
扶助費のうち老人福祉費は府内でも最低クラス
扶 助 費 の 内 訳 単位千円 | ||||||
区 分 | 決算額 | 国支出金 | 府支出金 | その他特定財源 | 一般財源等 | |
民生費 | 社会福祉費 | 4,727,436 | 2,189,044 | 1,231,254 | 32,377 | 1,274,761 |
老人福祉費 | 11,111 | 548 | 10,563 | |||
児童福祉費 | 8,871,805 | 3,948,207 | 1,553,287 | 34,995 | 3,335,316 | |
生活保護費 | 10,261,374 | 7,795,330 | 98,006 | 94,672 | 2,273,366 | |
災害救助費 | 2,130 | 765 | 735 | 630 | ||
小 計 | 23,873,856 | 13,932,581 | 2,883,312 | 163,327 | 6,894,636 | |
衛 生 費 | 944,425 | 7,304 | 934,589 | 2,532 | ||
教 育 費 | 861,187 | 371,505 | 183,444 | 306,238 | ||
合 計 | 25,679,468 | 14,304,086 | 3,074,060 | 1,097,916 | 7,203,406 |
守口市は、令和元年度決算は、11年連続で黒字であり、元年度は19億5千万円もの黒字を出したことを柱にして、一般会計、特別会計、企業会計、そして、基金の状態、起債残高の状態も健全であることを主張しています。
地方自治体の財政は「黒字」を出すことが目的ではありません。自治体の財政構造は、その行政が市民の方を向いているのかどうかを測るバロメーターでもあり、特に扶助費についてはその方向が顕著に現れます。
令和元年度の守口市の扶助費の内訳は表のとおりです。右端の一般財源等の項目が守口市が税金で負担している金額です。
決算額では生活保護費が102億6千万円と、他の扶助費と比べて群を抜いていますが、守口市が負担している一般財源ベースでみると、児童福祉費の扶助費が最高額を示しています。児童福祉費の扶助費は、認定こども園運営事業やこども入用助成制度に関する費用が主なものです。
一段と低額なのが老人福祉費です。前年度(平成30年度)決算では、大阪府内すべての市町村の中で、一人当たりの扶助費・老人福祉費の額は、ただの103円で41番目で最低でした。
児童福祉費が一人当たり5万7千679円で摂津市に次いで2番目に比べて老人福祉費が異常に低いのがわかります。この扶助費は老人福祉法第の規定による養護老人ホームや特別養護老人ホームへ入所措置した高齢者に係る費用(事務費、生活費など)の扶助が主なものですが、高齢化社会の中で老人福祉費の在り方が問われています。
[2020.11.19] -[インフォメーション・新守口・議会報告]
「百条委員会」調査報告書が委員会で採決される
杉本議員は辞職勧告が相当との報告書に与することはできないと反対
9月28日、第10回新型コロナウイルスに係る緊急対策遂行中における市議会特定会派・議員による不適切活動に関する調査特別委員会が開催され、委員会の報告書についての採決が行われました。
日本共産党の杉本えつ子市議は報告書について反対しました。以下反対討論の要旨を紹介します。
私は、本報告案に同意することはできません。
以下その理由を述べます。
本委員会は市長の「新型コロナウイルスに係る緊急対策遂行中における貴市議会特定会派・議員における不適切活動についての申立について」を受け、本市議会として事実関係を明らかにするために、調査を行うこととしたものです。
辞職勧告が相当の文言挿入は非民主的なやり方
まず、最初に申し上げておきたいのは、報告書原案台作成の助言を受けた弁護士さんは、「議員辞職勧告までは言えない」と述べられていましたが、最初のたたき台には「辞職を勧告することが妥当であると考えられる」との文言が書かれてありました。私は、9月24日の懇談会でなぜこの文言が入ったのかと質問しました。弁護士さんは「委員長から辞職勧告の文言を入れてほしいと電話があった」と、答えられました。委員長は「一人は反対だが、辞職勧告が妥当だとの意見があったので入れてほしいと電話した」との、説明がありました。
少なくとも私は、委員長からそのことについての意向を尋ねられたことはありません。全員の参加した懇談会での発言と異なる報告案が作成されたことについて非常な憤りを禁じえません。厳しく抗議するものです。
さて、申立書には、①市職員を長時間拘束し行政事務を妨害した、②執拗に感染者を特定しようとしたとされること③権限を逸脱した自宅待機命令をしたとされること④再三にわたる謝罪要求を行ったとされることなどが問題点として提起されています。
証言が対立した場合は客観的証拠に基づいて
それぞれの点については前回の懇談会で詳細に申し上げましたのでここでは、繰り返すことはしませんが、このうち市職員を長時間拘束し行政事務を妨害したことについては、刑法でいうところの公務執行妨害罪に相当し、小項目の心理的圧迫を与える聴取態様であったとされることはハラスメントに該当するとされていますが脅迫・侮辱・名誉棄損などの刑法に相当するものです。
ここではっきりしておかなければならないのは、証拠によって事実を認識しなければならないということです。証人の証言が相対立した場合は、憶測や推論ではなく証拠によって事実を明らかにすることができない場合、「疑わしきは被告人の利益に」という刑法の大原則を適用しなければならないということです。
被申立人一人一人についての調査結果が必要
さらに言えば、被申立人は、維新市議団ではなく、土江 俊幸議員、坂元 正幸議員、梅村 正明議員、嶋田 英史議員という
独立した個人なのです。したがって、当然、一人一人についてどの被申立人がどの職員をどれだけの時間拘束したのか、どのようなハラスメント行為を行ったのか、権限を逸脱した自宅待機命令を出したのはだれなのか、どのようにして謝罪を要求したのかなどを具体的に、一人一人立証しなければならないものです。
ところが、この報告書は被申立人、あるいは被申立人らと、一括りにして述べています。
被申立人一人一人が、それぞれの事案に対して、ある部分では、実行行為を分担しなかったりして、関与の強弱があるにもかかわらず、一蓮托生といわんばかりに結論として全員に「議員の辞職を勧告することが相当であると判断した」と、市民から選出された議員に対して議員として失格だと決めつけ死刑にも等しい罰を与えようとすることは、あまりにも乱暴です。
最初に保健所に確認しておれば何事もなかった
前回懇談会でも申し上げましたように、早い段階で市職員と被申立人らの間に意思の疎通を図り、お互いが真摯に対応していればこのように問題が大きく広がることはなかったもので、今後議会と執行部が節度ある対応と真摯な説明を行っていくように強く求めて、反対討論とします。
[2020.11.19] -[インフォメーション・新守口・議会報告]
令和元年度の決算の概要で財政は健全であると守口市
人件費が減少し委託料が大幅増加・税金が営利企業の利益に
守口市は、令和元年度(2019年度)の決算の概要をホームページに掲載しています。17頁に及ぶもので、守口市の一般会計を中心に決算について大まかに説明しています。
内容は、11年連続で黒字であり、元年度は19億5千万円もの黒字を出したことを柱にして、一般会計、特別会計、企業会計、そして、基金の状態、起債残高の状態も健全であることを主張しています。
しかし、大阪府内で他市との比較や、昨年度(平成30年度)の財政の指標は改善されたのかどうかについてはほとんど触れられていません。
財政健全化比率での判断は平成30年度では、北海道夕張市以外全国どの市も「早期健全化」団体には入っていません。地方財政関係者は「財政健全化指標は意味をなさい」と述べているほどです。
財政の健全度を述べるのであれば大阪府内の団体、あるいは類似団体との比較をも考慮したうえで分析する姿勢が必要です。
人件費は平成30年度と比べると5億3千8百万円減少しています。職員給与も3億1千5百万円減少していますから正規職員が減少していることがわかります。普通会計の職員は609人でしたが588人に1年で21人減っています。
その一方で、物件費が9億3千3百万円増えています。
物件費とは消費的な費用の総称です。賃金、旅費、需用費、役務費、委託料、使用料及び賃借料などが含まれます。
令和元年度は学童保育の委託で3億3千2百万円の増、市民税課税課の委託で8千9百万円の増、ごみ収集処理事業委託で1億7百万円の増、備品購入費は新設される守口市立図書館のもので4千2百万円となっています。物件費全体の増額となった9億3千3百万円を超えて委託料の増が9億4千5百万円です。
人件費や職員給与を減らしても、仕事は減っていませんから形を変え、委託料への転化となります。税金が民間企業の利益になっているのです。職員に払っていた給与を減らして営利企業に税金を回しているというのが民間委託の本質です。
公務労働の民間委託が本当にいいのかどうかが試されるときに来ています。
令和2年9月議会総務建設委員会~
旧中央コミセンの解体工事は安全第一に!入札は適正な競争を
9月18日に、9月議会・総務建設委員会が行われ杉本議員が委員として出席しました。議題は契約議案と補正予算でした。
契約議案では中央コミュニティセンターの解体工事が一般競争入札により業者と仮契約を結んでいるが、本契約とする議決を求めるというものです。このコミュニティセンターは大阪メトロの上にあり解体工事では困難が予想されます。旧中央コミュニティセンターを解体しますが大坂メトロの会談入り口については工事から除外することになっています。
地中杭68本のうち55本は抜かずに残す
杉本議員は解体に伴って建物の地中杭はどのようになっているかと質しました。理事者は、全体で68本存在するが、そのうち55本を残し、13本の杭を抜くとなっていると答弁しました。
残った地中杭は新たに建物を建てる時に再利用はできないかと質すと、理事者は残った杭がそのまま使えるかどうかを検討しているとね答弁しました。
また、杭のある地質調査はしていなく、土質柱状図の地面もないということなのでも地質調査が必要ではないかと、質すと、解体工事の途中で、必要であれば地質調査を行うことになるかもしれないとも答弁しました。
アスベストやPCB等の有害物質の処理について
煙感知器は何台あるのかと尋ねると10台あるが放射性物質であるアメリシウム241を使用しているイオン化式感知器でなく、光電式感知器で煙を光で感知するというものでしたから、処理は一般的な産業廃棄物として行えるということです。
また蛍光灯PCB安定器は処理済みで下水終末処理場でドラム缶に入れて保管してあり、解体途中で見つかれば保管場所に保管するということでした。PCB処理の順番が守口市にはなかなか回ってこないではないかと質すと順次行われていると答弁しました。
建物の解体は、そのための重機を屋上に上げることが必要です。重機は国道1号線からクレーンで釣り上げるので、警察と協議して交通量の少ない夜間などを利用し、最大限安全に行うと約束しました。
アスベストを調査した会社は間違いないかと問うと日本保険衛生協会の調査で場所はレベル1が階段の天井や、壁、出窓の庇の裏側にあると報告があると答弁。旧庁舎のように次々とアスベストが発見されないようにきちんと調査してほしいと述べました。
競争性を担保した入札制度に
入札応募者は6社あったということですが、6月議会で2億2千万円で予算が計上され可決され
ています。ところが、この入札で、予算以上の金額を提示した業者がありました。予算も見ずに入札に参加したのでしょうか。競争入札において本気で落札する意思があるとは思えない業者です。入札に参加するのであれば落札することが目的のはずですから、発注者として本気で参加するように注意すべきと要望しました。
令和2年度守口市一般会計補正予算(第5号)
守口市駅前ホール機能調査委託が執行留保で減額
補正予算では2月に可決した予算が減額補正されています。
理事者の説明にでは、コロナ対策で当初予算になかったお金が必要になったので執行を留保した事によるものです。
減額された事業の一つに、にぎわい交流施設最適配置調査委託があります。これは京阪守口市駅前にホール機能が必要かどうかと検討する調査委員会です。執行留保する理由に、市民生活に直接影響がなく優先順位は低いとしています。
この事業は廃止された市民会館をもう一度作ってほしいとの市民の署名が議会で採択され、やっと予算がついたものです。今年度初めの2月定例会で予算審議され、議会としても注文していたものです。
市長も予算議会では、施政方針演説でこの事業の必要性を、高らかにうたい上げられていたものです。
令和2年度 市政運営方針
「守口市」のまちの次の10年の姿を考えていかなければなりません。
「都市環境の創出」として令和2年度は、本市の賑わいの核である京阪電鉄守口市駅前へのホール機能の誘導可能性や、「守口都市核周辺における将来都市ビジョン」を踏まえ、守口市駅前周辺における守口市民体育館、守口文化センターなどの公共施設の将来における最適配置及び官民連携手法の導入を想定した事業手法の検討に向け、予備調査を実施します。
委員会での説明
にぎわい交流施設最適配置調査業務委託の内容ですが、主なものといたしましては、最適配置の事業が現在のまちの状況や周辺環境と景観と、調和をするのかとか、最適配置した状況が、本市の中心部にふさわしいシンボル性を有するのか、またあるいは現在の各種計画と整合するのか、そういうような整理であるとか、あと実現可能性の調査といたしましては、法令の適合性や概算の事業費、工期の確実性についても調査します。
市長の市政運営方針でも、付託された総務建設委員会の説明でも、にぎわい交流施設最適配置調査の重要性を述べていました。
ところが今年の6月になって突然執行留保と議会に対して説明がありました。
◎にぎわい交流施設最適配置調査事業(予算額・7百4万円」
事業の概要
京阪守口市駅前周辺へのホール機能の誘導可能性や公共施設の将来を見据えた最適配置方針策定に先立ち、公民連携手法の導入も想定した効率的な事業化手法を検討
執行留保の考え方
令和2年度未実施としても、市民生活への直接的な影響は少ないと考えられることから、令和2年度における急を要する事業としての優先順位は低いと考え、執行を留保する。
と、言うものです。
ところが、この事業はすでに今年4月には事業者の募集を始めていたのです。一次審査のための書類の送付は5月13日から20日まで、第2次審査のためには6月10日から26日までとなっていました。事業者選定のための評価基準も配点表もすでに公開されていたのです。一次審査が250点満員、二次審査が1250点、合計1500点満点で審査することになっていました。
この事業には6者の応募があったことが理事者の答弁で明らかになりました。すでに募集があった事業を途中で中止することは全く異例のことです。
杉本議員は、議会に対する説明も丁寧さに欠けており、また、事業者にも迷惑をかけることになり、非常に遺憾であると苦言を呈しました。
[2020.11.19] -[インフォメーション・新守口・議会報告]
2019年度守口市決算~物件費が大幅に増額
原因は 学童保育の民間委託で差引き2億4千万円も大幅増額
守口市の2019年度(令和元年度)決算が発表されています。
この年度の決算の特徴は、物件費が大幅に増えていることです。
物件費というのは、地方公共団体が業務を遂行する際に支出する、賃金、旅費、交際費、需用費、役務費、備品購入費、報償費、委託料、使用料及び賃借料、原材料費などを指します。
物件費中、委託料が増加
守口市の物件費増嵩の原因は委託料の増加です。平成25年度からごみ収集の委託が始まり、29年には窓口業務の民間委託、30年1月から課税課の窓口業務など、西端維新市政の方針である、「民でできるものは民で」という政策が進められてきました。その結果、西端市長が就任した平成23年度決算の物件費37億1千6百33万7千円だったものが、令和元年度では、69億5千6百94万5千円と約2倍へと大きく膨れ上がったのです。
また、委託料だけを比べても、平成23年度決算では26億8千8百万円だったものが令和元年度では48億2千7百万円と、21億5千万円も大幅に増加しています。
学童保育民間委託したのに物件費は大幅増
令和元年度決算には、この年度学童保育(児童クラブ・入会児童室)が、民間委託されました。
民間に委託されたためそれまで守口市に嘱託職員として雇用されていた指導員が、守口市に解雇されたため物件費の中の「賃金」が減少しています。減少した金額は8千7百31万1千円。研修会等への派遣のための旅費が2百17万8千円の減少で合計8千9百48万9千円が減少しています。
その一方、学童保育運営事業を共立メンテナンスに委託したので委託料が新たに発生しました。その金額が3億3千150万円です。
物件費の費目で見ると学童保育事業を民間に委託したことによって、2億4千2百万円の増となっています。
もともと、守口市の正規職員ではなく嘱託職員という非正規雇用の職員で運営していた学童保育事業は、正規職員に比べて低い賃金形態で行われていましたから、民間に委託しても「財政効果」が出るはずもなかったのです。
「財政効果」が出ているとすれば学童保育の現場ではなく、本庁舎の中にいて人事管理や補助金請求などの事務処理を行っている正規職員がその仕事を民間に丸投げし、煩雑な事務処理や病休や産休などの代替職員・アルバイトなどの手配をする仕事から「解放」されたことでしょう。
守口市のように、煩雑な仕事が軽減されたからと言って職員を削減すると現場では「保育の質」が下がります。
専門家は「同じ民間企業が運営委託している学童でも行政が丸投げしている所と、市の職員が定期的に訪問して指導助言している所では保育の質が全くちがいます。チェックが厳しい自治体には民間企業は優秀な職員ををまわしますが、丸投げして現場に顔も出さず、文書だけやり取りしている所は手をぬいてしまうようです」と、指摘します。
民間に委託すればかえって市の責任は増えます。現場を巡回し、学童保育がきちんと運営されているかどうかをチェックして回る為の人員の確保ことが必要です。
新型コロナウイルス感染症が広がる中、厚生労働省が作成したリーフレットの生活保護のページに、「生活保護の申請は国民の権利です」という一文が加わりました。リーフレットは積極的に生活保護を利用するよう呼び掛けています。
リーフレットのタイトルは、「生活を支えるための支援のご案内」生活保護制度の案内にあたり、「生活保護の申請は国民の権利です。生活保護を必要とする可能性はどなたにもあるものですので、ためらわずに自治体までご相談ください」と一番初めに記してあります。
新型コロナの影響により失業や収入減で生活困窮に陥る人が増えています。福祉事務所に行っても「水際作戦」で生活保護の申請すらできない事態も相次いでいます。他方、バッシングやそこから生じる誤解、偏見で利用をためらう人も少なくありません。
厚労省はなぜ文言を追加したのか―。同省はしんぶん赤旗の取材に「安倍晋三首相の国会での発言をふまえ、厚労省としても申請をためらうようなことがない方が望ましいと考えたため」と説明しました。
安倍首相の発言とは、6月15日の参院決算委員会での日本共産党の田村智子議員・副委員長の質問に対する答弁です。
「バッシングとも言える生活保護への敵意、侮辱を一部の党や政治家があおってきた。それが今、新型コロナの影響で生活困窮に陥っても保護申請をためらわせる重い足かせになっていると思えてならない」と述べた田村さん。安倍首相に「生活保護はあなたの権利だと政府が国民に向けて広報するときだ」と迫りました。
これを受けて、安倍首相は「田村委員がおっしゃるように、文化的な生活を送るという権利があるわけでございますから、ぜひためらわずに申請していただきたいと思いますし、われわれもさまざまな手段を活用して国民の皆さまに働きかけを行っていきたい」と明言しました。
田村智子議員の話
6月の国会質問で、安倍首相に「よびかけてほしい」と求めたことが、厚労省のホームぺージでそのまま明記されたことを心から歓迎します。コロナ禍で、生活相談活動に取り組み、申請の同行支援、自治体や政府への要請等に取り組まれたみなさんが、政治を一歩前に進めた証しです。
守口市議会9月定例会が始まる
自然災害や危機事象時に市民を応援する基金の創設
小規模保育園の連携園の確保は不用に
令和2年9月議会が始まります。市長提案は、令和元年度の各会計決算の認定及び、条例7件、契約締結2件、補正予算1件です。その主な議案をお知らせします。
・条例
議案第44号…がんばる守ロ助け合い基金条例案
・内容 現在、大阪府内において新型コロナウイルスの感染者が再び増加していますが、今後の感染拡大防止対策のほか、地震、風水害といった自然災害及び様々な危機事象に見舞われた市民、事業者への支援又は災害に強い地域づくりに要する財源とすることを目的にがんばる守口助け合い基金を設置するため、がんばる守口助け合い基金条例を制定しようとするもの。
・主な制定内容
①定義について定める。第2条
②基金の積立てについて定める。第3条
③基金の管理について定める。第4条
④運用益金の処理について定める。第5条
⑤繰替運用について定める。第6条⑥基金の処分について定める。第7条
施行期日は公布の日から施行する。
議案第46号…守口市特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業の運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例案
定地域型保育事業の運営に関する基準について昨年度、令和元年5月31日付け内閣府令第8号により、特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業の運営に関する基準が改正され、
同年10月1日に施行された。
また、令和2年4月1日付け内閣府令第33号により、特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業並びに特定子ども・子育て支援施設等の運営に関する基準が改正され、同日施行された。
これらのことから、守口市特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業の運営に関する基準を定める条例の一部を改正しようとするもの。
・主な改正内容
①食事の提供に要する費用の取り扱いについて、世帯年収が360万円未満相当又は全所得階層の第3子以降の副食費を免除する規定を追加する。
②市の調整等により、特定地域型保育の提供の終了に際して、利用児童に係る保護者の希望に基づき、引き続き教育・保育の提供を受けることができるよう必要な措置を講じている場合には、利用児童の受入先としての連携施設の確保を不要とする規定を追加する。
議案第47号…守口市家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準を定める条例の細部を改正する条例案
・内容 家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準については、厚生労働省令で定める基準に従い、又は基準を参酌して市の条例で定めることとされている。令和2年3月26日、家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準の一部を改正する省令により家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準が改正され、同年4月1日から施行された。このことから、所要の改正を行うため、守口市家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正しようとするもの。
主な改正内容
①市の調整等により、保育の提供の終了に際して、利用乳幼児に係る保護者の希望に基づき、引き続き必要な教育又は保育の提供を受けることができるよう必要な措置を講じている場合には、利用乳幼児の受入先としての連携施設の確保を不要とする規定を追加する。
②居宅訪問型保育を必要とする事由に、保護者の身体上、精神上などの理由により家庭において乳幼児を養育することが困難な場合を追加する。
③その他規定整備 施行期日公布の日から
※議案46号・47号の主な改正は内閣府令33号に基づくものです。
これまで、小規模保育所や家庭的保育所(地域型保育所=0歳から2歳 児を保育する施設)は、3歳児になって卒園する児童の受け皿となる連携施設(保育所・幼稚園または認定こども園)を確保することとされていました。(家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準・平成26年厚生労働省令第61号)
ところが、平成30年4月1日時点で、卒園後の受皿となる連携施設を確保できている家庭的保育事業者等は約63%で、連携施設をなかなか確保できていない実態が浮き彫りになりました。
そして、その後、平成31年の同基準の改正(家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準の一部を改正する省令・平成31年厚生労働省令第49号第6条・附則第3条)では、平成31年度末までとされていた「連携施設の確保をしないことができる」期間(経過措置期間)を5年間延長すると、されました。
それでも連携園の確保は進まず、全国では「連携園を用意できないから小規模園を作らせないという自治体が出たりして、保育施設の推進に逆効するところもありました。 そこでこの度、再び同基準が改正され、今年4月1日から、小規模保育事業等で保育を受ける子どもたちについて、市町村長が、①卒園後に保育所などを優先的に利用できるようにする。②当該満三歳未満保育認定子どもに係る教育・保育給付認定保護者の希望に基づき、引き続き必要な教育・保育が提供されるよう必要な措置を講じている③連携施設の確保が著しく困難である場合は連携施設の確保は不用となりました。
・契約議案
議案第50号・・旧中央コミュニティセンター解体工事請負契約の締結について
契約の目的旧中央コミュニティセンター解体工事
相手方美馬建設株式会社守口営業所
契約金額
1億9107万円
工事期間
令和3年6月30日まで
仮契約締結の時期
令和2年8月7日
議案第51号…学習者用コンピュータ機器等購入契約の締結について
契約の目的 学習者用コンピュータ機器等購入
相手方 株式会社ウチダシステムズ大阪支社
契約金額
2億9447万3850円
納入期限
令和3年2月26日
仮契約締結の時期
令和2年8月18日
・補正予算
議案第52号…令和2年度守ロ市一般会計補正予算(第5号)
2億6千780万円を追加し総計829億92万792万7千円にする。
債務負担は約1千万円の追加。地方債は1千780万円を追加する。
錦コミセン新築工事設計や地元飲食店支援補助金などが予算に計上されています。
[2020.11.16] -[インフォメーション・新守口・議会報告]
2019年度守口市決算が明らかに~実質収支18億円の黒字
借金残高減少も以前として高水準、老人福祉施策の貧弱さも
守口市の平成31年度(令和元年度)の決算が9月議会に提示され、審査が始まります。
当年度の普通建設工事は、旧守口保健所の購入(特別会計からの買戻し)、さくら小学校新築工事(令和2年度まで)図書館の建設(生涯学習情報センターの改修工事
、都市計画道路豊秀松月線整備事業(用地購入等)などが主なものです。
歳入総額633億2400万円、歳出総額610億3100万円、差し引き22億9200万円の黒字となっています。
翌年度に繰り越すべき財源が4億9700万円ありますから実質収支は17億9500万円となります。単年度収支では8億7300万円の黒字になります。
平成30年度は625億5400万円だった地方債残高(借金残高)は619億8500万円と、5億7000万円ほど減少しました。これは、当該年度に起債した額(借金した額)が、47億400万円であったのに対し、公債費(借金返済額)52億7400万円(元金)と返済額が上回ったためです。減少したとはいえ以前として高水準であることに代わりはありません。
経常収支では、平成27年度以来4年ぶりに100%を切り、99,5%となりました。
内訳は、人件費18,44%、扶助費が22,2%、公債費17,5%、物件費15%、維持補修費0,6%、補助費等12,1%、繰出し金13,7%となっています。
昨年に引き続き扶助費が人件費を上回っています。扶助費の内訳をみると一般財源ベースでは、生活保護費を児童福祉費が上回っています。
生活保護費は決算額では102億6100万円で、児童福祉費は88億7200万円と、生活保護費が上回っています。しかし、守口市が税金で(地方交付税を含む)で負担するいわゆる一般財源だけを比べてみると、生活保護費が22億7300万円で、児童福祉費が33億3500万円と、児童福祉費が上回ります。
決算総額だけを捉えて守口市の財政を圧迫しているのは「生活保護費」だという話が広まっています。しかし、実際は事業費には国や大阪府の補助金などが含まれますから、守口市の負担額がどうかという点を見なければなりません。
児童福祉費の中でも「単独事業」分が、生活保護費1億8000万円に対し、児童福祉費では14億5700万円にものぼり突出しています。
未来を担う子どもたちにお金をかけることは間違いではありませんが、その一方で老人福祉費にかけるお金がいかに少ないかも見ておかなければなりません。扶助費の中の老人福祉費は補助事業では0円、単独事業で1100万円とほとんどお金をかけていないことがわかります。